夜明けのパトロール(ドン・ウインズロウ 角川文庫)
サンディエゴ近くの海岸に暮らす主人公は、サーフィンに人生のほとんどを捧げながらも、時々私立探偵をしている。放火事件の重要証人であるストリッパーが失踪し、事件の担当弁護士から証人さがしを依頼される・・・という話。
ミステリとしても十分面白いのだけれど、サーフィンとそれを生活の中心にしている人達の魅力を語ることが本書のテーマになっている。
夜明けから海にのりだし、うまい朝食をいきつけの店で食べ、昼間はちょっと仕事して、夜は仲間とビールを飲む・・・そんな夢のような生活を送りながらも、いろいろな制約を課されることを嫌ってプロにはならず、それゆえ経済的には余裕がなく、かつてサーフィンの聖人のようにあがめられていた人も最後は無一文で惨めに死んでいったことを知っていて、将来に漠然とした不安を抱いている・・・というのが、本書で描かれる典型的なサーファーの姿だろうか。
軟弱そうな主人公が、いったん事件に巻き込まれると、カチカチのハードボイルドに変身して美しい女の子と難事件にいどみ、絶体絶命かと思われた危機を乗り越えて大団円を迎える、というパターンは毎度おなじみのウインズロウ節なんだけれど、面白いんだよね。
本書は新シリーズの第一弾とのことで、次の翻訳が早くも待ち遠しい。
サンディエゴ近くの海岸に暮らす主人公は、サーフィンに人生のほとんどを捧げながらも、時々私立探偵をしている。放火事件の重要証人であるストリッパーが失踪し、事件の担当弁護士から証人さがしを依頼される・・・という話。
ミステリとしても十分面白いのだけれど、サーフィンとそれを生活の中心にしている人達の魅力を語ることが本書のテーマになっている。
夜明けから海にのりだし、うまい朝食をいきつけの店で食べ、昼間はちょっと仕事して、夜は仲間とビールを飲む・・・そんな夢のような生活を送りながらも、いろいろな制約を課されることを嫌ってプロにはならず、それゆえ経済的には余裕がなく、かつてサーフィンの聖人のようにあがめられていた人も最後は無一文で惨めに死んでいったことを知っていて、将来に漠然とした不安を抱いている・・・というのが、本書で描かれる典型的なサーファーの姿だろうか。
軟弱そうな主人公が、いったん事件に巻き込まれると、カチカチのハードボイルドに変身して美しい女の子と難事件にいどみ、絶体絶命かと思われた危機を乗り越えて大団円を迎える、というパターンは毎度おなじみのウインズロウ節なんだけれど、面白いんだよね。
本書は新シリーズの第一弾とのことで、次の翻訳が早くも待ち遠しい。