スポーツ国家アメリカ(鈴木透 中公新書)
野球、アメフト、バスケットボールといったアメリカで人気があるスポーツの成立と発展過程からアメリカの産業や社会とスポーツの関わりを解説した本。
アメリカで人気がある競技は、アメリカ以外ではあまり盛んではない。逆に世界中で普及しているスポーツがアメリカでの人気がイマイチであることの原因を、移民を中心とした多民族国家であること(特定の民族に人気があるような既存スポーツは受け入れ難い)は、興味深かった。(根拠は薄弱で著者の見解にすぎないようだが)
また、現在のアメリカでプロレスがとても人気があることも本書で知った。その中心はマクマーン家が支配するWWEで、そこではショーマンシップが重視され、デスマッチ形式や選手グループ間の確執をあおるような演出(マクマーン家内の家族間にも対立があるという設定になっているらしい)がされているという。現大統領もプロレス好きでその行動原理もどことなくプロレス風?でもある。
本書で最も読み応えがあるのは、著者自身の経験を記したあとがきである。本編は論文のようにカタい感じで味気ないのだが、あとがきはイキイキとして楽しい。(新書乱立の中でも岩波と並んで硬派路線を維持する)中公新書ということを意識したのかもしれないが、本編部分もあとがきのような調子で書いてもらえればよかったのになあ、と思った。
野球、アメフト、バスケットボールといったアメリカで人気があるスポーツの成立と発展過程からアメリカの産業や社会とスポーツの関わりを解説した本。
アメリカで人気がある競技は、アメリカ以外ではあまり盛んではない。逆に世界中で普及しているスポーツがアメリカでの人気がイマイチであることの原因を、移民を中心とした多民族国家であること(特定の民族に人気があるような既存スポーツは受け入れ難い)は、興味深かった。(根拠は薄弱で著者の見解にすぎないようだが)
また、現在のアメリカでプロレスがとても人気があることも本書で知った。その中心はマクマーン家が支配するWWEで、そこではショーマンシップが重視され、デスマッチ形式や選手グループ間の確執をあおるような演出(マクマーン家内の家族間にも対立があるという設定になっているらしい)がされているという。現大統領もプロレス好きでその行動原理もどことなくプロレス風?でもある。
本書で最も読み応えがあるのは、著者自身の経験を記したあとがきである。本編は論文のようにカタい感じで味気ないのだが、あとがきはイキイキとして楽しい。(新書乱立の中でも岩波と並んで硬派路線を維持する)中公新書ということを意識したのかもしれないが、本編部分もあとがきのような調子で書いてもらえればよかったのになあ、と思った。