蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

小暮写眞館

2018年12月16日 | 本の感想
小暮写眞館(宮部みゆき 講談社文庫)

高校生の花菱英一の両親は古びた写真館を買い取って自宅にする。その写真館には前の持ち主(小暮さん)の幽霊が出るという噂があって、近所の娘が心霊写真を持ち込んで謎解きを頼まれたれする。4話のオムニバス形式の大長編。

宮部さんの現代ものなので、前の三編で心霊モノとみせかけといて最後の一編で謎解きをするのだと思っていたら、最後まで普通のほのぼの小説でミステリでもサスペンスでもなく、ちょっと拍子抜け。
それでも抜群のリーダビリティで、文庫本上下巻合わせて1000ページの長さも気にならない読みやすさ。特に英一の弟の光(ピカちゃん)のキャラがいい。こんなこまっしゃくれた小学生が本当に身近にいたらムカつくと思うけど。
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