久しぶりに庭に降りてみました。夏の剪定など全くせずに蔓性の“むべ”を、伸び放題にして手入れもしなかったお陰で、いつもは実をつけない状態で次の年が巡っているだけなのに、実を結ぶ蔓の先が健在だったお陰で、あの紫色の実を見つけました!
東大演習林の散策時バスに乗らずに歩いた帰り道で、あの“むべ”を見ましたっけ…。我が家も手入れもせずにいた、こんな不精もある時は良いことを運んでくれるのですね!
むべ?
聞きなれない名前ですか?
これは、不老長寿の霊果なんです。アケビに似ていますが、熟しても果皮はパックリと割れないのですが、味はアケビとよく似ていて、甘さはやや控えめです。まだこの実はもいではいません。欲しい方いらっしゃいますか?
琵琶湖のあたりで、むかし長寿の夫婦が住んで居て、天皇が「何ゆえに老いないか?」と訊ねられて「この実を食べているからです。」と答えたというのです。それを聞かれた天皇が「むべなるかな」と言われたということから、「むべ」という名前になったという伝説の実なんだそうです。
他にむべと言えば“百人一首”にもあります、「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ」の一首が浮かんできます。イメージ検索をしてみたら、むべの花(春)と実を割った写真がありました。分厚い果皮層の下の、種だらけの部分を丸ごと食べて果汁をいただき、種だけ外に出すような、どちらかというと行儀の悪い食べ方なんですが、美味しい果汁を残さずに味わえますのでお勧めです。
実りと言えば、友達 Fusakoさんが黒豆の畑を一列(一畝)買って秋の収穫を楽しんでいるということで10月の末ごろに誘われました。 「黒豆の枝豆は柔らかくて実が大きいから美味しい。畑に採りにいらっしゃいよ。」 とのお話に、「それでは…」と出かけましたのは、秋の真っただ中のころだったけれど…。
白い札が並んでいるのは、全てその畑の「一畝持ち主」さんの名札なのです。土が見えている部分はちょうどFusakoさんのお宅で、一畝の四分の一くらい収穫していた所でした。苗から生育の面倒をみるのは専門家の農家で、収穫期だけその一列の畝の黒豆株を採りに行くのだそうです。一列で五千円。いろいろな手間・暇と、黒豆の美味しさを考えたらとても安い買い物だと思ったのですが、小人数では一列でも持て余しそうな気がしないでもありません。何人かで組んで一畝を買うことも考えたくなるほど美味しいのです。もっともその話は来年の話となる訳ですが?!
左の少し大きくて、ちょっと色がついている豆が黒豆。右の枝豆はおなじみの大豆の枝豆です。その収穫から十日後に会う機会があり、また頂きましたが硬くも無くふっくらと美味しかったのを思い出します。
そういえば、Kojimaさんからは素人なのに、ご自身で丹精こめた作物、大根と人参を頂戴しまして美味しく食べさせて頂きました。自分で作るのは大変でしょうけれど、情熱と汗で作ることは、多分この上ないことで、なんとも言えない喜びに繋がるのでしょうねぇ。いいですね。
縁日か何かでひよこを買ったこちらの家の坊や(Fusakoさんのお孫さん)。幼稚園児だった彼も今では中学校に。そして今ではひよこも立派な成鳥になってしばらく経ちます。庭で放し飼いのなかで自由に「ココココ」と遊んでいます。時々時の声を張り上げて玉子を産んだことを知らせてもくれているようですが、決まったところに産まないと家主の友達は言います。「有精卵で薬も使ってないし生卵で食べられるから、どうぞ!…」と頂きました。名古屋コーチンだから、生協で求めてはいるものの白っぽい玉子(これでも赤玉)と比べてみてください。違いますねぇ。
立派な雄鶏。犬や猫が雌鶏に襲いかかろうとすると雄鶏がけたたましく鳴いて追い払うのだそうです。そんな様子をみて育った坊やはさぞかし男らしく成長していることでしょう。楽しみ、楽しみ!