名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(549); 四間飛車に玉頭位取り(高島弘光)

2017-06-13 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170613
高島弘光先生と第14回早指し選手権です。


大山先生の四間飛車に高島先生は玉頭位取りです。

54銀から袖飛車。これは嫌なんです。86角では後の進展が困ります。

高島先生は筋よく55歩から65歩でした。

これなら74歩には66銀で対抗できそう。

大山先生は2筋の突き捨てを逆用しました。

2筋は破れるのですが、27歩成~38と~29飛成では3手、24飛~34飛~39飛成も3手。ならば27歩成のほうが良いですね。ですが56金~64歩同金44角という筋を警戒したということでしょう。

警戒されても高島先生は6筋から攻めます。金をぶつけ

歩を合わせます。

竜の作り合いで

2筋に回り、金を打たれ

金を合わせ

という細かいやり取りから竜を侵入しました。これで寄せ合いです。

6筋と7筋の攻め合い

から76桂が入って

先に詰めろがかかるので大山先生の手勝ちのようです。つまり6,7筋の攻め合いではだめで、7筋を受けなければいけなかったと。まあ早指しだと勢いのある方で進めたくなりますよね。

底歩は利くのですが、大山先生はどんどん攻めます。

これが詰まないなら問題なし。

合駒を打てないけれど、移動合で逃れていました。

投了図。

ソフトでチェックしたら、72香の合駒を同竜で詰んでいたみたいです。ということは98手目に97金と放り込んだのが間違いで、97歩成同桂96歩で詰めろ、というように駒を渡さなければ優勢でした。プロでも30秒将棋は慣れていないし、詰む詰まないを読むのは年齢で衰えますからね。
まあそういうところはあるのですが、内容は悪くないと思います。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:高島弘光7段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二玉(62)
13 6八銀(79)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5七銀(48)
18 4三銀(32)
19 5八金(49)
20 5二金(41)
21 7五歩(76)
22 7二銀(71)
23 7七銀(68)
24 6四歩(63)
25 7六銀(77)
26 5四銀(43)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 6六歩(67)
30 8四歩(83)
31 7七角(88)
32 8三銀(72)
33 6七金(58)
34 6三金(52)
35 8八玉(78)
36 7二飛(42)
37 5五歩(56)
38 同 銀(54)
39 2四歩(25)
40 同 歩(23)
41 6五歩(66)
42 5四歩(53)
43 6四歩(65)
44 同 銀(55)
45 6五歩打
46 5三銀(64)
47 7八金(69)
48 2二飛(72)
49 3六歩(37)
50 2五歩(24)
51 3五歩(36)
52 2六歩(25)
53 3四歩(35)
54 5一角(33)
55 6八飛(28)
56 2四飛(22)
57 6四歩(65)
58 同 金(63)
59 5六金(67)
60 3四飛(24)
61 6五金(56)
62 6三歩打
63 6四金(65)
64 同 歩(63)
65 6五歩打
66 3九飛成(34)
67 6四歩(65)
68 6二歩打
69 6三歩成(64)
70 同 歩(62)
71 同 飛成(68)
72 6二金(61)
73 6五龍(63)
74 2四角(51)
75 4六歩(47)
76 6三歩打
77 2五龍(65)
78 3四金打
79 2六龍(25)
80 3六歩打
81 2五金打
82 同 金(34)
83 同 龍(26)
84 2三歩打
85 3四龍(25)
86 2九龍(39)
87 3二龍(34)
88 7四歩(73)
89 6四歩打
90 7五歩(74)
91 6五銀(76)
92 7六桂打
93 9八玉(88)
94 9五歩(94)
95 6三歩成(64)
96 9六歩(95)
97 5九歩打
98 9七金打
99 同 桂(89)
100 同 歩成(96)
101 8九玉(98)
102 8五桂打
103 8六角(77)
104 9八歩打
105 5三と(63)
106 9九歩成(98)
107 7九玉(89)
108 6八歩打
109 6二龍(32)
110 7二香打
111 6八銀(57)
112 4六角(24)
113 6九玉(79)
114 8八と(97)
115 6七金(78)
116 3八龍(29)
117 7一銀打
118 9三玉(82)
119 9四歩打
120 同 銀(83)
121 6三龍(62)
122 7三香(72)
123 5八金打
124 8九と(99)
125 投了
まで124手で後手の勝ち

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20170613今日の一手(その523);穴熊の攻略法

2017-06-13 | 今日の一手

20170613今日の一手

5月のR選手権から、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答(構想を問う問題でした。)

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は66角1枚。
後手の攻め駒はありません。

総合すれば後手が指しやすいです。

☆ 大局観として
実際は私が後手番で、三間飛車を右四間飛車で迎え撃つ、というつもりだったのですが、しっかり石田流に組まれてしまいました。仕方なく後手の仕掛けを封じつつ、位を取って大模様です。作戦負けは解消したと思いました。
後手は4枚穴熊でかなり堅くなったのですが、攻めるところがないのです。こういうのは形勢判断の3要素だけではわかりにくいのですが、攻められないなら後手の攻め駒を増やすことができないので、だんだんに先手が良くなりそうなのです。
ただ、この先の構想は悩みます。端から攻めるか、8筋を攻めるか、何もしないで千日手にするのだってあるのです。
長い目で見れば、穴熊を攻略して勝つか、入玉で勝つか、どちらかになります。そこまで意識しておくとよいです。(意識できずに負けてしまいました。)



△ 89飛とまわる構想が普通ですが、8筋は守られます。

7筋の歩交換を狙えますが、1歩渡すので36歩同銀46角とか


45歩同歩75歩同角46歩58銀62銀

3筋4筋から動かれます。
飛を移動すると右翼の守りが薄くなるのです。つぶれるわけではないのですけれど。


△ 85歩~84歩で交換しておく手。

飛で交換するほうが理想ではあるのですが(73銀が間にい合いますし)、移動しにくければ角を使います。

54歩とされたら7筋の歩交換も調子は良いです。
ただし先手玉の守りにも役立っている歩ですから、玉は右に移動しておきます。持ち歩を生かして将来の端攻めを狙います。


○ 98香~99飛で端を狙うなら

後手から36歩とか45歩は1歩もらうだけですから歓迎です。)対局中もこれかなあ、とは思っていましたが。)
後手は銀を移動して端を強化するでしょう。(98香74歩99飛73銀85桂84銀)

このとき後手の飛を取れますね。84同角同歩43銀に61角

後手陣に欠陥があったのです。角を打たれたら駒得というわけでもないですが、34銀成同角93桂成同銀94歩82銀

角桂と飛歩の交換ですが、端に嫌味がありますから損ではないです。42飛13香44飛成から角をいじめておくくらいでしょうか。やや先手が良いのだと思います。なにか駒を手に入れて(竜の横利きもあって)93に打ち込めば勝ちです。


△ 68玉など待機して、54歩なら75角

で馬を作れます。

74歩なら55角で銀を取って43銀ねらいですが、13角

と気がつかれたら手損するだけでしょうか。まあ千日手にするつもりなら構いませんが。

68玉は8,9筋を狙うなら損な手ではありません。58まで移動すると、将来45歩同歩46歩に58銀と引けなくなるのでまずいかも。39か28まで移動してしまうのはあります。
作戦負けなら玉を移動するというのは常套手段ですが、この場合はそこまでの必要はないです。


× 2筋を狙うのは(26歩74歩27金54歩25歩)

25同桂なら26金です。13角に26金73銀15歩

と棒金で攻められれば理想、のはずですが、15同歩同金31角14歩86角89飛53角

ではうまくいったという感じではありません。

途中(28飛の位置ではないので)24歩と返すのもあり、

17桂でさばいていくか、36歩で反撃か、というのもよくわからないです。
後手から見ると、穴熊と遠いところで戦うので無理が利きます。


○ 実戦は55銀に気が付きました。

形は崩れますが歩得になります。51銀44銀42銀

と我慢されると、1歩持てば銀を殺されます。3,4筋から攻めるのは反動が厳しいので、26歩と待って15歩同歩同香16歩43歩
銀を殺させて、33銀成同角同角成同銀15歩

銀と桂香歩の3枚換えです。以下は馬を作って(44銀16角31飛43角成55銀58桂)

駒得になったら自陣に打っておくというのは(持久戦の場合は)大事なことです。34角で馬を消されましたが(34角同馬同飛56歩)

そろそろ良いだろうと銀を追ったのが大失敗です。もう一度どこかに角を打って馬を作る(52角31飛16角成とか)なら有利が拡大していました。危なさそうな予感があったのですが。36歩同歩46銀同桂36飛

強引にさばかれました。36同銀もある(58角39飛36角成47銀同馬同金58銀)けれど、意識は完封だったのです。37歩26飛44角25飛53角成45歩

54桂46歩36銀58銀39飛67銀成同玉47歩成同銀28金

と後手からかなり手が続きます。このあたりで飛を捨てて入玉を目指す(26歩39金25歩38金同銀)ことを考えればよかったのですが、89飛38金26歩48金25歩47金

まで進めて、入玉が難しいことに気が付きました。もう遅いです。

やはり駒得を急がないというのは大事ですね。


☆ まとめ
1手1手の優劣を考えるよりは、もっと先のことを考えるほうが良い場合があります。これが大局観ですね。

駒得というのは中毒性がありまして、後手玉がかなり堅くても、駒得が進むと有利だと思いこんでしまうのです。歩得→銀と桂香歩の三枚換え→馬作りと進行していくと、かなり有利になった気がしてしまいます。
自玉を少しでも固くしておくことや、さらなる駒得を焦らないこと、最終的には駒得よりも入玉することを考えておけばよかったです。

穴熊攻略を考えておくのもよくて、最善は98香~99飛だろうと思います。飛角桂香で攻め駒4枚ならよいわけです。それだけで一気につぶせない(これは先手玉が近いので流れ弾に当たるから、攻撃力が鈍る)のですが、玉の移動をしてからなら十分です。問題図の場合は後手陣の欠陥(桂をもって26桂とか、銀をもって43銀とか)があるので、78のままでもうまくいきそうです。

対穴熊全般に言えますが、上から攻めつぶすあるいは横から金銀を剥がして食らいつくという構想と、穴熊には触らないで完封する(攻撃力を奪う)とか入玉する構想にわかれます。
中盤で最後の形を意識しておくというのが良いのです。方針がぶれなくなります。









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