医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

天国へのビザ

2006年12月16日 | 雑感
最近臨床が忙しすぎてブログの更新もままならない毎日です。

毎日運ばれる「心筋梗塞」。その半数以上が80歳以上です。それを治療するのに200万円以上の治療費を費やしています。留学から帰り、てっきり心筋梗塞の治療も「包括払い」(一定の治療費が保険から支払われ、いかに効率的に治療するかで病院の利益が生まれるもの)になったと思っていました。しかし、心筋梗塞はいまだに「出来高払い」です。つまり治療費をかければかけるほど病院が儲かるシステムです。

80歳以上にかける200万円以上の治療費。この国はいずれ滅びると思います。先日大阪大学の教授が言っていました。私たちは若いときには「生きる義務」を負っている、だけど老いてからは「死ぬ義務」もあるのだと。国民全員が100歳まで生きるとすれば、その国は滅びると・・・

この言葉。私の胸にグサリと突き刺さりました。

今、NHKで老いた神経細胞を再生させるという番組が放映されているところです。神経を再生された人が働けるのならばかまいません。寝たきりでも意識・頭脳をはっきりさせるだけの治療ならば、そんな治療は必要ないです。そんな国は滅びます。

私は疲れているのかもしれません。でもこの小説を思い出しました。


「天国へのビザ」、これは私が最近読んでとても感動した小説の題名です。

この小説は現役の女性医師が書き下ろしたものだそうで、最近読書をさぼっていた私が偶然手にして、涙が出たほど感動した小説です。是非紹介したいと思いました。

私が、このブログ「医者から詳しく聞かされない医療情報」でお伝えしたい趣旨にも合致して、医者が日頃感じる医療の矛盾を、小説の中で見事に表現しているのです。

なぜ、こんなにしてまで生きなければならないのか。死ぬことはそんなに罪悪なことなのだろうか。そしてそれにつけ込む医者たち・・・

本当にお勧めの1冊です。

天国へのビザ



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コメント (1)
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