医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

中年期の大量喫煙は認知症の引き金になる

2010年11月19日 | 神経
                       学会発表のためにシカゴに来ています。

こういう学会に科学研究費(あるいは製薬会社の寄付金?)を使いファーストクラス(普通料金129万円、ビジネスクラスをマイリッジを使いアップグレードすることは公私が混在することになるため文科省の科学研究費で支出できません。マイリッジが公のものである場合は可能かもしれませんが)で渡米している教授(特にT大、K大)をみかけますが、遊びに行くわけではないので教授がエコノミークラスでは可哀想ですが、ビジネスクラス(この季節は40万円前後)で十分ではないかと思います。
(私は往復8万円です)

確かに科学研究費の獲得競争倍率は5倍の狭き門ですが、税金からまかなわれる「科学研究費」を使ってファーストクラスを利用していると、「二番手ではだめなんですかという女性政治家の言い分なんてとんでもない!日本の科学の発展のために、科学研究費の財源カットに反対!」などと言えなくなってしまいます。教授の方々は気をつける必要があると思います。



さて、先日、禁煙補助薬チャンピックスと認知症治療薬アリセプトの効果についてお伝えしました。
今回は中年期の大量喫煙は認知症のリスクを高めるという先月発表されたばかりの論文をお伝えします。

Heavy Smoking in Midlife and Long-term Risk of Alzheimer Disease and Vascular Dementia
Archives of Internal Medicine Published online October 25, 2010
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)

1978~1985年に50~60歳で検査を受けた2万1,123人のデータが平均23年追跡調査されました。

調査中、アルツハイマー病(1,136人)および脳血管性認知症(416人)を含めて、25.4%が認知症と診断されました。

中年期に1日2箱以上のたばこを吸っていた人は、非喫煙者に比べてアルツハイマー病の発症率が1.57倍以上、脳血管性認知症の発症率が1.72倍以上高くなりました。元喫煙者および1日半箱未満の喫煙者には認知症発症リスクの増大はみられませんでした。

喫煙と認知症発症リスクの関連は、人種、性差、高血圧、糖尿病、脂質異常症、脳卒中、心臓病、飲酒量、教育レベル、婚姻状況について調整しても変わらずに、独立した危険因子として認められました。


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コメント (2)
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