医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

新型コロナウイルス感染を「あと知恵バイアス」で考察してみる

2020年03月17日 | 感染症
新型コロナウイルス感染について、野党や朝日やTBSは非常に低い論理性で日本政府を批判しています。

政府が小中高校を臨時休校にしたことに関して、TBS土曜日の膳場貴子などは30分以上を費やして、現場が混乱して困っていると放送していますが、この人たちやはり頭が悪いのでしょう。それでは小中高校を臨時休校にしないで、小中高校で集団感染が発生した場合、膳場貴子は責任がとれますか?という話です。ことの後で物事を批判するのは簡単です。

人は誰でも間違える―より安全な医療システムを目指して

ここに、「あと知恵バイアス」の例が書かれています。
1964年、米国キングスマン・トランジット社の所有する小型船シラス号が強い風に流され別の船に衝突し二隻の船が開閉式の橋の動きを止めました。天候が悪い日には橋は開いていなければなりませんでしたが、その日に限って係員が定時より早く帰宅してしまい、この事態に対応できませんでした。橋は破壊され、水が堰き止められて氾濫した川の水が町全体を水浸しにしました。

この事故をもとにして1995年に興味深い研究が行われました。ある被験者のグループにはこの事故の経過が知らされましたが町の損害は知らされませんでした。別の被験者のグループには事故の経過と甚大な損害の詳細が知らされました。

結果、損害を知らされないグループでは76%の人が川の氾濫が起きても特に安全策をとるほどではなかっただろうから責任をとるべき人はいないと答えましたが、一方、損害を知らされたグループでは57%の人が川の氾濫の可能性は大きかったのだから、そのための予防措置をとらなかった人は過失罪に問われるべきだと答えました。

事故の経緯は同じですが、損害を知ることで事故の評価が変わったのです。

ヒトの脳には、このようなとんでもない思考のバイアス(偏り)が存在します。

ことが起こった後で、「その後」という特権的な位置から過去を安易に語ることはスポーツゲームの翌日の解説者にありがちな「翌日の予言者」として知られています。研究論文としても報告されています。

Fischhoff B, et al. "I knew it would happen": Remembered probabilities of once-future things.
Organizational Behavior and Human Performance 1975;13:1-16.

現在、小中高校を臨時休校により集団感染は発生していません。小中高校を臨時休校にしなくても集団感染は発生しなかったかもしれませんが、そんなことは神でもなければ誰にもわからないのです。

低い論理性で日本政府を批判し続ける、野党や朝日やTBS。腐った人間の集団です。

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コメント (2)
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