いろいろと論文を調べていると、どうもメタボリックシンドロームは動脈硬化のリスクにはなっていないような気がして、もう少し調べていたら最近こんな論文が発表されました。
Can metabolic syndrome usefully predict cardiovascular disease and diabetes? Outcome data from two prospective studies.
Lancet. 2008;371:1927.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
PROSPERとBRHSという大規模臨床試験でメタボリックシンドロームではあるが糖尿病ではない、それぞれ4,812人と2,737人が対象となりました。
PROSPERでは対象は70~82歳と高齢で、平均3.2年調査されました。BRHSでは対象は60~79歳で、平均7年調査されました。
結果ですが、PROSPERではメタボリックシンドロームであってもその後に動脈硬化性心疾患を発症するのはメタボリックシンドロームでない人の1.07倍で、違いがあるとはいえませんでした。
BRHSでも1.27倍と、少しだけ発症率が上昇しただけでした。
一方、糖尿病を発症するリスクはメタボリックシンドロームではそうでない人と較べてPROSPERで4.41倍、BRHSで7.47倍と大きく上昇していました。
論文の中で著者たちは、メタボリックシンドロームが動脈硬化性心疾患のリスクを上昇させない理由として、メタボリックシンドロームを規定する全ての因子が、そうなのかそうでないのか(例えば、腹囲が85cm以上なのかそうでないのか)という二分法であり各因子の重症度を表しきれていないこと、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値や喫煙など、従来から動脈硬化性心疾患の危険因子だといわれている因子を採用していないことを挙げています。
さらに、「メタボリックシンドロームとその構成因子は高齢者の糖尿病のリスクを上昇させるが、、動脈硬化性心疾患のリスクとの関連はないか、あるいは弱いため、動脈硬化性心疾患と糖尿病のリスクを同時に予測しようとするメタボリックシンドロームの判定規準を改定する試みは有益でない」と結論し、「従来どおり、個々の疾患の至適なリスクアルゴリズムの確立に臨床的関心を向けるべきである」と指摘しています。
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Can metabolic syndrome usefully predict cardiovascular disease and diabetes? Outcome data from two prospective studies.
Lancet. 2008;371:1927.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
PROSPERとBRHSという大規模臨床試験でメタボリックシンドロームではあるが糖尿病ではない、それぞれ4,812人と2,737人が対象となりました。
PROSPERでは対象は70~82歳と高齢で、平均3.2年調査されました。BRHSでは対象は60~79歳で、平均7年調査されました。
結果ですが、PROSPERではメタボリックシンドロームであってもその後に動脈硬化性心疾患を発症するのはメタボリックシンドロームでない人の1.07倍で、違いがあるとはいえませんでした。
BRHSでも1.27倍と、少しだけ発症率が上昇しただけでした。
一方、糖尿病を発症するリスクはメタボリックシンドロームではそうでない人と較べてPROSPERで4.41倍、BRHSで7.47倍と大きく上昇していました。
論文の中で著者たちは、メタボリックシンドロームが動脈硬化性心疾患のリスクを上昇させない理由として、メタボリックシンドロームを規定する全ての因子が、そうなのかそうでないのか(例えば、腹囲が85cm以上なのかそうでないのか)という二分法であり各因子の重症度を表しきれていないこと、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値や喫煙など、従来から動脈硬化性心疾患の危険因子だといわれている因子を採用していないことを挙げています。
さらに、「メタボリックシンドロームとその構成因子は高齢者の糖尿病のリスクを上昇させるが、、動脈硬化性心疾患のリスクとの関連はないか、あるいは弱いため、動脈硬化性心疾患と糖尿病のリスクを同時に予測しようとするメタボリックシンドロームの判定規準を改定する試みは有益でない」と結論し、「従来どおり、個々の疾患の至適なリスクアルゴリズムの確立に臨床的関心を向けるべきである」と指摘しています。
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