BSの日本映画専門チャンネルのピンク映画特集プログラム今月はその四ヶ月目
ってことで月2本OAですから都合7作目は

「団地妻 隣のあえぎ」と言う今岡信治脚本、サトウトシキ監督作品
実によくできた作品と言える

団地の5階の空き部屋に入り込んでのんびりしていた3階の黒田夫妻の妻幸子は、隣部屋から壁を通して聞こえるあえぎ声を聞いてしまい、ちょっと悶えてしまったところにいきなり
その隣部屋の石井夫妻の夫勝男がその空き部屋に入ってきて“あのあえぎ声は自分の妻が男を引っ張り込んでセックスしているのだ”という。一方当の黒田夫妻の夫五郎は腰痛で、しばらくセックスレスだった
ってとこから始まる、このまま歳を取っていくことに漠然とした不安と不満を感じている黒田幸子、自由奔放過ぎる妻に振り回される気弱な石井勝男、妻の行動が理解できず混乱と苛立ちの中でもがく黒田五郎
この三人の存在が素晴らしい。
特に、勝男と出会って未だSEXも何もしてないのに生き生きしてくる幸子は、
特に、勝男と出会って未だSEXも何もしてないのに生き生きしてくる幸子は、
先に書いたようにこのまま歳を朽ち果てさしていくかに見えた女性と
昔ダンスしていた時の若々しい女が新たに生き返ってきたようで実に魅力的だ。
個人的に中川真緒さんって言う女優さんの存在感がこの映画を支えているんですね

そして、彼女に振り回される哀れな夫五郎と石井勝男の二人の男も心に染みる。
中川真緒さんと言うピンク女優さんは私にはお初な女優さんですが
にわかピンク映画ファンとしていかにして彼女の他作品に触れたら良いのだろうか
終盤までは狭い団地とかラブホの部屋と言うような狭い空間での人間模様を描きつつ
いきなり鎌倉の海にって言う言う広い空間への展開を映画は見せて
解放された心を描くところは如何にもサトウトシキらしいテイストですが
基本プロットは脚本の今岡映画そのもの
この映画は、今岡・サトウと言った二人の才能が合体開花した映画に他ならなくて
見終わって実に爽やか
これってピンク映画だったのかなって思わせる作品
前にも書いたと思うが流石日本映画専門チャンネル、したたかなピンク映画をセレクトしてくるんですね
前半で伏線として張ったダンス衣装の中川真緒の姿を五郎が70年代のダンス衣装でそれを見事に回収してくれてのオチ
色々あったものの結局は収まるべきところに収まるハッピーエンディングにみごとに着地させて見せるとこが絶妙
いや、良い映画を見せてもらったなぁって言う作品
切り口の違う記事はコチラ
2001年製作、日本ピンク映画、国映作品、新東宝配給
今岡信治脚本、サトウトシキ監督作品
出演:中川真緒、佐々木ユメカ、斎藤つかさ、田尻裕司、伊藤猛、吉田修、川瀬陽太
