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映画『アントニオ猪木をさがして』を観てきた。

2023年10月07日 | プロレス
映画に興味がない私が、実に39年ぶりに、自分の意思で映画館に行ってきた。
その作品とは、昨日10月6日公開の『アントニオ猪木をさがして』である。


今回は、拙ブログ初の【映画レビュー】となるが、ネタバレを気にする方は、読まない方がいい。
あと、作品の感想だけでなく、映画館の情報など無関係なコトもダラダラと綴っているので、
途中で読むのを辞める人も多そうだけど(笑)、まあそれは仕方がない。
これでも一応、上映前に食べたラーメンとか、駐車場から歩道へ出る抜け道の情報とかを省いたんだけどね。
なお、文中はすべて敬称略とさせていただいた。

上映している映画館は、地元の「TOHOシネマズ 立川立飛」(以下「立川立飛」に略)がもっとも近かった。
この日は、立川駅北口に小池百合子都知事が来ており、群衆で混雑していたが、当然私は素通り。
アントニオ猪木と都知事、どちらが大事かは、書くまでもない。

他の映画館は知らないが、立川立飛では『アントニオ猪木をさがして』の大人料金は2000円。
曜日や時間などによって割引があるようで、私は500円安い、21時25分からのレイトショーを選択。
昔は、基本料金が1500円くらいだったが、他の物価が上がっている割には、映画は価格維持に努めていると感じたよ。
比べるのも変だが、甲子園の高校野球やディズニーランドなんて、すげえ値上げしてるからね。

ネットで席を予約&購入してから来館するのが主流のようだが、アナログ人間の私にはムリなので、
昔のように現場に着いてから買うことにした。立川立飛には、上映開始30分前くらいに到着。


入場券を購入したいのだが、担当の係員さんが見当たらず。すると、ポップコーンなどを販売しているお姉さんが、
私の存在に気付き、連絡してくれたようで、奥の部屋から男性係員が出てきた。
「チッ、メンドくせーな」のような表情はせず、券売機へ誘導し、買い方を親切丁寧に教えてくれた。
他の市町村では当たり前かもしれないが、立川市でこの応対は貴重である。  ※あくまで個人の感想です
何でもないようなことが幸せに感じる、「ロード」の歌詞のような街、それが立川だ!

ちなみに、公開初日とはいえ大入りではなく、私が自宅を出る19時前の時点で、97席中7枚しか売れてなかった。


猪木作品だけでなく、同じ時間帯に上映の『ミステリと言う勿れ』は、3枚しか売れてなくてビックリ。
ミステリ~は「大ヒット上映中」らしいが、立川は例外なのかね。

猪木の映画も、上映開始直前でも席に余裕があり、周囲に人がいない、中央の前から3番目の席を購入。


終演後、退館していく客を数えたら、私を入れて11人だった。

係員の応対は素晴らしい立川立飛だが、残念だったのが、お土産が少なかったこと。
作品HPの「劇場販売商品」では、下記のように品揃え豊富なのだが、


ここで売っていたのは、猪木関連のムック本やブロマイドなど数種のみ。


女性係員にたずねても「そこにある物しかないです」とのことなので、「パンフレット」880円だけ購入。
冒頭で載せた画像の右が、そのパンフレットで、左が来場者プレゼントのステッカーだ。 ※再掲載


ステッカーの正式名は、「新日本プロレス旗揚げ記念ポスターのデザインステッカー」で、


マニアとしては嬉しい配布物だが、どこに貼るか迷ってしまう…あ、貼らずに保存するべきなのか。

もうひとつ残念だったのが、上映開始時間になっても予告編パートが続いたこと。本編が始まったのは、推定10分後だ。
最近は他の映画館もそうなのかもしれないが、21時25分上映開始なら、せめて2分後くらいから始めてほしいね。
ここからようやく、作品解説に入る。映画館の予告編を批判しておきながら、自分のブログも前置きが長すぎるね。反省。

まずはキャスティングについて。猪木について語るプロレス関係者が、
藤波辰爾、藤原喜明、棚橋弘至、オカダ・カズチカらレスラー陣に、猪木の試合を長年撮影してきた、カメラマンの原悦生。
藤波と藤原は、一時期はともかく、長年猪木シンパだったし、棚橋とオカダは、比較的アンチが少ない、はず。
原カメラマンは、プロレスマニアなら誰もが知っていながら、嫌いな方はほぼいない、稀有な存在。
猪木信者と称される熱狂的なファンも、納得の人選だったと思われる。

タレント陣では、俳優の安田顕、くりぃむしちゅーの有田哲平、講談師の神田伯山らが出演し、福山雅治がナレーターを担当。
プロレスファン以外の集客が望める、上記タレント陣の起用は、商業作品としては当然であろう。
恥ずかしながら、私は安田という方が何者なのかわかっておらず、国民的大スターらしい福山も、
バファローズファンの私にとっては、吹石徳一の娘婿という認識である。それはさすがに極端か。
私がよく知っているのは有田だけだが、芸人の中でも彼は、プロレス通として評価されている。
いきなり名前を出すけど、勝俣州和なんて、知識は浅くレスラー愛も薄っぺらく、
私がもっとも拒む、ただ騒がしいだけのミーハーであり、プロレス好きを名乗らないでほしい。
有田はその点、知識も豊富でレスラーへのリスペクトも感じるが、それでも、
「数年前の『アメトーク!』プロレス特集で、畑浩和と松田納(エル・サムライ)を間違えた」などと、
過去のちょっとしたミスを指摘・批判するような、うるさいプロレスファンもいる…私のことだけど。

現在では信じられないだろうが、私の世代のプロレスファンは、芸能人などの部外者が、レスラーと絡むことを拒絶していた。
「俺たちが尊敬する猪木に、タレントごときが近寄るんじゃねえ!」といった感情だろうか。
当時大人気だった、ビートたけしが率いる「たけしプロレス軍団」でさえも、反発を受け暴動が起きたのは有名。
今作品も、主要ターゲットと思われる猪木ファンから苦情がこないよう配慮し、
レスラーもタレントも、無難な人材をキャスティングしたのでは…と感じてしまった。

ところが、今回の映画については、さっき名前を出したレスラーの棚橋が、
「猪木さんを知らない人でも楽しめる作品にしてほしい」という要望を出したそうだ。
それがどこまで反映されているのかは不明だが、作品は、猪木の過去を探ったり、猪木について関係者が語る、
ドキュメント部分が大半を占める一方、猪木ファンの少年の成長をつづった、ドラマ部分も含まれている。
だが、個人的には正直、ドラマは不要であった。
3部構成だが、時間が短すぎたため、先述の安田が「猪木~っ!」と絶叫するシーンも、いかんせん唐突に感じたし、
80年代なのに「ホーガンにリベンジ」なんてセリフがあるなど、時代考証もいい加減で、観ていて冷めた。
※「リベンジ」という言葉は、90年代のK-1が使い始めた

ドキュメント部分も、このときに紹介した、控室でアナウンサーを殴り怒鳴りつける猪木など、


かつての名シーンもいくつか流れたが、未公開の貴重映像は特になし。
神田伯山の巌流島での講談パートや、安田&原のトークパートはなかなか良かったが、
予告編や、パンフレットでの「誰も知らない燃える闘魂がここにいる」は特に見当たらず、
あえて挙げれば、「ブラジル移住後の猪木一家が住んでいた場所を紹介」した程度。
確かに未知の情報だが、ブラジルの土地勘がない私にとっては、「へえ~」という感想しか沸いてこない。
棚橋やオカダが「初めて語る猪木」というのも、彼らと世代が違う私には、あまり響かなかった。

ここからは、かなりの「ネタバレ」になるので、映画を観に行くつもりの人は、読まない方がいい。





さっき書いた、安田の絶叫シーンや、巌流島での講談などは、予告編でも目にすることができる。
もっとすごいシーンがあるかも…という期待は裏切られ、どうやら予告編=名場面集だった模様。
エンドロールでは、若い頃の福山が猪木と一緒に撮った写真も紹介されたが、それもHPで公開している。
観客を驚かすためにも、あの写真は本編まで隠しておいた方が、よかったと思う。

最後は、ナレーター福山の「アントニオ猪木は、我々の中で今も生き続けている」
のようなコメントで締められたが、これは、私が昨年書いた、猪木追悼ブログの結末とほぼ同じである。
プロレス業界とは無関係な、部外者の私でも思いつくようなフィナーレで、観客の心をつかめるのだろうか?

猪木のエピソードは、生前からさんざん語り尽くされていたので、新たな事実はないだろうと薄々わかっていた。
また、猪木への想いはファンの数だけあるため、全員が納得する作品制作が、ほぼ不可能なのも理解していたが、
私自身はやはり、楽しめない側であった。上映前の予告編が長くてムカついた、のも原因かもしれない(苦笑)。

没後1年という縛りがあったのかもしれないが、1年といわず、もっと長い時間をかけて、
アントニオ猪木という希代のヒーローを、徹底的に掘り下げてほしかった。
今回の作品がヒットするのかは、私にはわからないが、仮に続編が作られる場合は、
長期間の取材とロケを敢行し、今度こそ「誰も知らない燃える闘魂」を探し当ててほしいね。
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2 コメント

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ブログ主様へ。 (りくすけ)
2023-10-07 22:20:23
お邪魔します。

“アントニオ猪木と都知事、どちらが大事かは、書くまでもない。”
読んでいて大きく頷きました。
プロレスファンに「誰も知らない燃える闘魂」を観せるのは、並大抵の難しさではありませんね。
貴兄の記事を拝読し、改めて思いました。
---でも、僕も映画館へ足を運ぶと思います。
同じレイトショーで。

上映前に食べたラーメン、楽しみにしています。
では、また。
返信する
Unknown (明正強)
2023-10-08 00:12:58
りくすけ様、
コメントありがとうございます。

予告編や、先週土曜のテレ朝での宣伝番組などを見た時点で、
正直、期待はしていませんでした。
ただし、それは制作側が悪いのではなく、
猪木に過剰な思い入れがある、観る側の私に原因があるので、
猪木ファンを自認・自称する方たちには、
ぜひ映画館へ観に行ってほしいです。
もちろん、「いい作品だった」と感じる方もいるでしょうし、
いてもらわなくては、猪木信者としても悲しいです。
※矛盾してますけどね

りくすけさんにも、ぜひご覧になっていただき、
感想を聞かせてほしいものです。
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