秋には彼岸花で賑わった埼玉県日高市の巾着田は、遠足の小学生の他は散策する人もわずか。日和田山を後ろに歌碑が立っていた。
巻14 3465 高麗錦紐解き放けて寝るが上に
何ど為ろとかもあやに愛しき
(高麗錦の紐を解いて共寝もしたのに、まだ恋しさがます。この上いったい何をすれば好いのか。不思議なほどに愛らしいことよ。)
高麗錦は高句麗からの渡来人が本国から持ってきた織物で着衣の紐として普及していた。其の辺りからこの辺で歌われたという説があるが断定は出来ないという。巾着田の向かいにある日和田山は、当時渡来人たちが高麗郷で高度な技術を周辺諸国に伝えていたという事実をじっと見てきたことでしょう。