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かりんとう物語

2014-08-11 10:17:30 | エッセイ・記憶の彼方に…

少々品の無い話しからスタートするが、

かりんとうと言う菓子は、実に犬の“あれ”にそっくりだ。

魅力的な黒く輝くものが、小麦粉を揚げた親指状のものに、

たっぷりとついている。

確かに見た目は、犬の“あれ”を連想させられる。

 

しかし、私はこの菓子を一旦目にすると、

眠っていた食欲がフン起し、思わず頬張りたくなる。

そして一度口にすると、

「もう1本、もう1本、もう1本…」

と止め処なく食べてしまう。

いかん! いかん! 

「こんなに糖分を取っていいのか…」

と心で自制心が働くが、手は意志とは逆に動く。

悪魔の菓子、かりんとうだ。

 

私は、このかりんとうに目が無い。

甘いものが欲しい時、疲れた時、

このかりんとうを食べる。

固くもなく、柔らかくもない触感。

「カリン」と口の中で音が響く。

その瞬間、黒砂糖の「トウ」分が広がる。

それで“カリン・トウ”という訳でもあるまいが、

とにかくうまい菓子であることに間違いがない。

心の中に甘い黒砂糖の味が、太鼓のように響き渡る。

名菓である。

 

 

 

 

 

 


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