素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

浪曲が響く

2010年03月10日 | 日記
 朝からいきなりpenpenpepeチョンチョンpenpenpepepeチョン・・・と三味線と拍子木の音すえは~八州の日光で~陽明御門の建築であまり仕事ができすぎて~と唸る声が聞こえたので家族はびっくり「どうしたの!?」といぶかる声。思わぬまわりの反応に、私も思わず「大丈夫だよ。お父さんは大丈夫だから」ととんちんかんな返事。

 話は7日の“露の五郎兵衛一周忌追善公演”から始まる。浪曲の京山幸枝若さんの“左甚五郎・千人坊主”の一席があった。甚五郎を大の贔屓にしているご意見番大久保彦左衛門に77万石島津薩摩守が「甚五郎が何でも作れる名人というなら5寸四角の板の中に100日で“千人坊主”がつくれるか」という難題を出した。引くに引けなくなった彦佐は自分の地位をかけて受けてしまった。早速、彦佐は甚五郎に頼むのだが、甚五郎はそれだけはできないと断る。しかし、彦佐の窮地を察した甚五郎は無理を覚悟で引き受けることになる。

 ここまでを、軽妙さも混ぜながらの迫力ある語り口、リズミカルな節さばきにぐいぐい引き込まれて行った。さあこれからどうなるのかと、観客全員が思った瞬間ちょうど時間となりました~一球投げるまでさんざんページ数を使ってきて、ふりかぶって投げた瞬間《来週に続く》となる”巨人の星”と同じ。あの時の会場のため息と悲鳴に近いどよめきはライブの醍醐味。演者はすごく気持ちが良かったと思う。おいてきぼりを食った私は欲求不満。

 どうしても続きを聞きたいので、いろいろ調べて京都で、大正15年から創業している市原栄光堂にライブ録音のCDを置いていることがわかったので取り寄せた。早く聞きたくて、TPOをかえりみず、しかもボリュームもあげてかけてしまった。

 スッキリしました。大風呂敷を広げたような話で、落語とはまた違う元気が湧いてくる。午後から天気が回復してきたので、長尾の方まで自転車を走らせた。途中、3月20日15時に全線開通する第二京阪道路の一部が歩道だけ通ることができたのでまっさらな道を走ることができた。

 気分は爽快。まわりに誰もいなかったので思い切り歌謡浪曲の“俵星玄蕃”を唸りながら走った。往復で2時間ぐらいのサイクリングとなった。
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