素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

お向かいさんの鉄板、最後の6の目が入る

2010年08月09日 | 日記
 “ピンク”かなと思っていたが“みどり”でした。

 カラフルになりました。

 いったい何を元に色を決めたのか、旦那さんの心を読むことができなかったので、奥さんに尋ねると「競艇なんですよ」と教えてくれた。公営ギャンブル(競馬・競輪・競艇)は無縁なのでわかるはずがなかった。他の人がする競争に金を賭けることは好きではない。


 7日(土)の同窓会には自転車で枚方まで行った。18:00始まりなので1時間前に家を出たが、汗をかきたくなかったのでゆっくりゆっくりペダルをこいだ。そのため会場近くの駐輪場についたのが17:45。1万円札を崩しておいた方がいいと思い、TUTAYAまで歩いて行って本を1冊買うことにした。選ぶ時間は5分。中身を見ている余裕はない。いわゆる“一目ぼれ”しかない。店内をくまなく歩いたが飛び込んでくる本がない。「やれやれ」と思った時に、1冊の本が目に入った。俵 万智著『考える短歌』(新潮新書)660円(税別)である。

 昨日、今日とこの本にはまり込んでしまった。副題に「作る手ほどき、読む技術」とあり、“表現の可能性”を読者からの投稿作品を元に、解釈、添削指導。それにテーマに沿って先達の作品を鑑賞するコーナーをもうけ追及している。なるほどと唸ることが多くあった。8つのテーマがあげられている。

 ①「も」があったら疑ってみよう
 ②句切れを入れてみよう・思いきって構造改革をしよう
 ③動詞が四つ以上あったら考えよう・体言止めは一つだけにしよう
 ④副詞には頼らないでおこう・数字を効果的に使おう
 ⑤比喩に統一感を持たせよう・現在形を活用しよう
 ⑥あいまいな「の」に気をつけよう・初句を印象的にしよう
 ⑦色彩をとりいれてみよう・固有名詞を活用しよう
 ⑧主観的な形容詞は避けよう・会話体を活用しよう


 たくさんの添削指導から、「さすが」と強く思った3つを選んでみた。

東京都の竹原美幸さんの作品:たわむれに君の香水つけてみる一日君に寄りそうようで
                 たわむれに君の香水つけてみる二十四時間寄りそうように

高槻市の綿田淳一郎さんの作品:さよならのあと7分が大切で新快速に乗らない二人
                 「じゃあ」までのあと7分が大切で新快速に乗らない二人

 これほどラブラブな二人なら、丁寧に「さよなら」なんて言わず、せつなく短く「じゃあ」ぐらいで別れると考えても、不自然ではないだろう。というコメントには120%同感してしまった。

東京都の木村順人さんの作品:かきあげる仕種がいいな黒髪を際立たせる腕の白さか

 この作品へのコメントが鋭い。一部抜粋すると『黒髪と白い腕の対比によって、その両方の美しさがいっそう感じられる。作者も、充分にそのことを意識して作ったのだろう。が、その意識が前に出すぎているところと、遠慮しているところとがあって、少し中途半端になっているのが残念だ。
 出すぎているのは「際立たせる」。そこまで言わなくても、黒と白の対比があれば充分である。遠慮しているのは「白さか」。ここは、一首の主眼となるところなので、潔く言いきってしまったほうが、気持ちがいい。』
として2首しめしている。

          かきあげる仕種がいいな黒髪をより黒くする腕の白さよ

 黒と白の語が単純に思われるなら、白いものにかかる枕詞を使う方法もあるというので

          かきあげる仕種がいいな黒髪をより黒くするしろたえの腕

 こういう感じで、少し表現を変えるだけで、歌が引き立つということをライブ感覚で味わえたので引き込まれてしまったのである。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする