素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

しゃべるスピード

2011年05月21日 | 日記
 枝野官房長官が毎日2回、精力的に記者会見をおこなっていることが報じられていた。会見の内容については横に置いておいて、純粋にスピーチの技術だけでみるとなかなかのものだそうだ。腹式呼吸ができていて、声のトーン、話すスピードともに安定していてとちりが少ないので聞いているものに安心感を与えるという。反面、それが冷たい、役所的という批判も生んではいるが。

 スピードは1分間に316~340字だそうだ。これは名キャスターで評判だった磯村尚徳氏とほぼ同じスピードである。NHKのアナウンサーはもう少し速く、1分間に400字弱。早口であった久米宏さんは1分間に760字。前官房長官平野さんは1分間に240字で失格だそうだ。

 私はTPOにあわせて、自由にスピードを変えることができるのが理想だと思っていた。その練習に最適だったのが、川島隆太著「大人から子どもまで“脳力”を鍛える音読練習帳」であった。日本の昔ばなしが30話、900音前後にまとめられている。1話を音読するのにかかった時間を計ることで1分間あたりのスピードがわかる。もともとは早いスピードで音読することで前頭野を刺激することを目的としてつくられた本で、クラス担任をした時に勉強が苦手で粗野だが何とかしたいという気持ちも持っている生徒と学習めいたものを始めるきっかけにならないかと思って買ったものである。

 その生徒とは、そこまでに至るまでにいろいろ問題が起きて担任している間は実現しなかった。次の学年では担任外となったので、彼が授業を抜け出した時に、私が空き時間だったら説教や説得がわりに音読練習をやろうと思っていたが、途中で担任になったのでやらずじまいとなった。そのかわり私自身はスピードを確認する練習に使った。特に、高速読みができるように鍛えておく必要がある。久米宏以上の高速で3~4ページを一気に読み聞かせると効果的な場面が必ずある。年一回でいいのだが、その時にビシッときめるためには普段から準備しておかないといけない。

 残り時間や与えられた時間でどれくらいの事がしゃべることができるのかを意識していくことは、話すことを生業にしている者にとってはとても大切であると思う。

 枝野さんは嫌いなタイプなので避けてきたが、一度じっくり聞いてみようかな。
 
 
コメント
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