映画「阪急電車」を朝から観る

　“出会い”というものの不思議さについては強く感じて来たほうだと思う。でなければ教師という仕事を楽しく続けられなかっただろう。最近は、コンサートに行ったり、ツアーに参加した時、全く違う人生、生活を送っている人たちが同じ空間を共有しまたバラバラになっていくことに心が動くようになっている。2月14日にシアター・ドラマシティに行った時、酔いも手伝ってつらつらと書いた。

　映画『阪急電車』のストーリー紹介の冒頭の文章がその私の心に共鳴した。
　
　名前も知らない人達は、私の人生に何の影響ももたらさないし、
　私の人生も誰にも何の影響もあたえない・・・
　世界なんて、そうやって成り立っているんだ・・・
　そう思っていた・・・でも・・・

　乗りなれた車両、ありふれた風景、
　通勤、通学、ショッピング、そして大切な人に会いに・・・その目的は違えども、
　様々な人生を乗せて走る、電車。
　あなたが活字から目を離したとき、携帯をしまったとき、ヘッドホンを外したとき、
　そこには、いままで気づかなかったけれど、ほんのちょっとだけ人生を輝かせる
　魔法のような“出会い”が待っているかもしれない。
　これは、そんな平凡な毎日が、“あなた”が視点をちょっと動かすだけで、
　輝き始める不思議なおはなし。

　宮本信子、中谷美紀、戸田恵梨香という大好きな3人が軸になっているのも理由の１つ。まだ、観ていないあ人もいるので中身にはふれないが、とてもうまくつくられている映画であった。5つ星です。２つだけ感想めいたつぶやきを。

　記憶に残ったセリフが１つ。「泣いてもよい。だけど自分の意志で涙を止められる女になりなさい。」これがオムニバス的な映画を貫くテーマかもしれない。
　もう１つは、セリフを言わずして観ている者にたくさんの声を聴かせてくれるシーンに久しぶりに出会った。

　午後は、公園を走ろうと思っていたが、部屋から見る黄砂のすごさ、近くのビルもかすんでいるので一気に走る気持ちは失せてしまった。偶然だが、午後アマゾンに注文してあった『総理の原稿』と『阪急電車』の文庫本が届いたので、午後は映画の余韻の残る中、原作を楽しんだ。