素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

夕方、グランキューブ大阪メインホールでの♪キューバ情熱音楽♪へ

2013年10月10日 | 日記
 財団法人 民主音楽協会(民音)は2009年から、カリブ海に浮かぶ島々の個性溢れる豊かな音楽を紹介する「カリブ海ミュージック・クルーズ」をスタートし、第1回目のハイチ、第2回目のジャマイカに続き、3回目の今回は民音創立50周年、またキューバ共和国文化省特別派遣、慶長遣欧使節キューバ上陸400周年記念公演として、キューバから選りすぐりの演奏陣、歌手、そしてダンサーたちを招き、『カリブ海ミュージック・クルーズ「キューバ 情熱音楽」セサル・ロペス&ハバナ・アンサンブル』を2013年9月18日(水)より全国19都市で開催している。今日はグランキューブ大阪メインホールでの公演。

 17:45開場に合わせて、北新地から歩いた。四ツ橋筋から堂島川に出て川沿いの遊歩道を西に向かって歩く。玉江橋の手前に福沢諭吉誕生地碑があった。今、明治初年時の福沢諭吉と森有礼の教育論争を興味深く読んでいるところなので、オッと思った。
  玉江橋の次が堂島大橋。国際会議場(グランキューブ大阪)はその畔にある。
  グランキューブ大阪は大きい、最大2754名収納できるメインホールも立派。
  解説によれば、キューバは、歴史上スペイン、アフリカ、フランスなど様々な音楽の影響を受けてきた。音楽のジャンルは実に様々で1930年代にはソン、ルンバ、1950年代にはマンボやチャ・チャ・チャ、それ以降にジャズやサルサが世界的に流行する。1990年代にはアメリカのヒップ・ホップから誕生したレゲトンが国内で広まり、今日に至っては“クバトン”と呼ばれるレゲトンにキューバ音楽を加えた新しい音楽が誕生しているという。

今回来日したのは、キューバを代表する天才サックス奏者セサル・ロペスを中心とした、国内でも活躍する演奏家に、歌手とダンサーを加えた特別編成のハバナ・アンサンブル。キューバ音楽のエッセンスを詰め込んだ19曲、底抜けに明るいサウンドには体が動くし、哀愁のある響きには心が動いた。4人のダンサーの動きにはほれぼれした。

 キューバを最初に訪れた日本人が慶長遣欧使節団で、上陸400周年記念公演でもあると書いてあったので少し調べてみた。

江戸時代初期の徳川幕府は、対外政策や宗教政策において比較的寛大な姿勢を維持していた時代であった。そのため外国との交流に目を向ける大名も少なくはなく、仙台藩主の伊達政宗は1613(慶長18)年9 月にメキシコ、スペイン、ローマへ向けて家臣の支倉常長(はざくらつねなが)を遣欧使節として派遣した。世に言う「慶長遣欧使節」である。一行は石巻の月の浦を出航し、メキシコ、キューバ島を経て1614 年にスペインに上陸した。翌1615 年に常長はこの地で受洗し、国王フェリペ3 世(Felipe III, 1578-1621)に拝謁して政宗の書状を渡し、宣教師の派遣やメキシコとの貿易を求めた。さらに一行はその年の秋にローマに入り、教皇パウルス5 世に謁見し、政宗の書状を手渡した。同地で歓待は受けたものの、伊達氏が一地方の領主に過ぎないことから政宗宛ての返書は得られず、メキシコからフィリピンを経て1620(元和6)年に仙台へ戻った。

 しかし、常長が仙台を出発した3 ヶ月後の1613(慶長18)年12 月には、幕府からキリスト教を禁じ宣教師を追放する令が出され、仙台藩でも常長の帰国直前にキリシタン禁令が出された。このため、帰国した常長は帰国報告が終わると軟禁生活が続き、2 年後の1622(元和8)年に失意のうちに死去した。仙台藩は遣欧使節の顛末を幕府に報告したのち、この件を完全に秘めていたため、江戸時代を通じて明るみに出ることはなかった。時が移り、1873(明治6)年に岩倉使節団がヴェネツィアに赴いた際に常長の書状を発見し、常長の業績が評価されるようになった。

 歴史というものを改めて考えさせられることの多い昨今である。「歴史は1つではない」ということである。高校の歴史教科書の採択でややこしい問題が出ているが、いっそのこと2つの教科書を採択して、記述の違いを読んで考えればいいのではと思ったりもする。そこにはこれが正解という1つの答は存在しないかもしれない。そのことを許容しないと主体的に考える人間は育たないだろう。

 立場の違いは別にして、歴史を見る目を「単眼 」にしてきたのが今までの歴史教育である。これを「複眼思考」にすることが大切ではないだろうか。となると歴史のテストは根本的に変えなければいけない。そこまでしないと真の改革とはいえない。
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