今日のNHKニュース7では「伊豆大島の豪雨被害」の次に「非正規教員」の問題が取り上げられた。
やっとここにスポットを当ててくれたかという感があった。今、教育界で取り上げられるのは学力問題(主には学力テストの公開のことや英語学習のこと)といじめ、体罰のことであるが、「非正規教員の増加もしくは不足」こそがもっと深刻ではないかと思ってきた。私が退職した2,3年前より「このまま無策のまま進むとやばいのではないか?」と感じ始めたが、退職後、かつての同僚であった校長数名から「講師に来てほしい」という以来の電話を度々受けた。事情を聞くと現場の深刻さは加速度的に進んでいると思った。時々お会いして話を聞く現場の教員からも同様のことがよく出る。
継続性の保障がないということが本人にとって一番つらいのではないかと思う。生徒、地域、学校のことを把握して見通しを持って実践に取り組むには3年~5年ぐらいの期間の保障が必要だと思う。仕事を引き継いでいくという面でもそのことは大切である。私の例で言えば、退職を決めたのは55歳の時。受け持った1年生を3年間持ち上がったら定年を待たずに退職という絵を描いた。そのことから逆算して今やるべきことを考え、学校長にも希望を伝えた。1つはクラブ顧問を2年間かけて確保してほしいということ、もう1つは生徒会の仕事を引き継いでいく人員の配置をすることである。生徒会では主に文化委員会に関わっていたが、相棒がずっと講師の方であった。仕事はきちっとやってくれる方ばかりで助かったのであるが、次の年にはいないので覚えたことを活かすことができない。私の希望は数年は勤務する見通しのある正規の方とコンビを組んで一緒に仕事をやりながら引き継ぎたいということであった。校務分掌という仕事は個人経営の店のようなところがある。一番困るのは転勤して前任者がいない分掌を任された時である。今までの流れとかが分からないまま立案、提案をしていくのはとても大変である。出来ることなら避けたいものである。
22時30分からの「ヒーローたちの名勝負」では、2008年北京オリンピックでの男子400mリレーで史上初の銅メダルを獲得した4人のバトンパスを取り上げていたが、それを見ていて仕事もよく似ているなと感じた。見通しとお互いの信頼関係、その上に立った個人の努力、がんばりである。これは駅伝にも共通する。
このため、現在では本来、保障されるべき正規教員の病欠、産休のための慢性的な講師不足があると同時に身分の不安定な講師の数が増大しているという二重苦が現場にはある。番組で取り上げられた20代の女性の方のような例は珍しくなくなってきている。
彼女の場合、6か月でクラスが崩壊し、担任を外されたというが、酷な話である。沖縄県に次いで全国で2番目に臨時採用者が多い埼玉県の教育委員会に取材していたが、抜本的な解決を模索するよりも研修の機会を増やすという方向でお茶を濁しているように思えた。研修の中身と実効性は検証しないといけないのではないか。
このこと自体、研修というものの必要性に疑問を抱かせるものである。 この方の言葉はズシリと重い。この問題にしっかり取り組まないと今、打ち出されている教育施策は砂上の楼閣に過ぎず、教育の未来は開かない。
やっとここにスポットを当ててくれたかという感があった。今、教育界で取り上げられるのは学力問題(主には学力テストの公開のことや英語学習のこと)といじめ、体罰のことであるが、「非正規教員の増加もしくは不足」こそがもっと深刻ではないかと思ってきた。私が退職した2,3年前より「このまま無策のまま進むとやばいのではないか?」と感じ始めたが、退職後、かつての同僚であった校長数名から「講師に来てほしい」という以来の電話を度々受けた。事情を聞くと現場の深刻さは加速度的に進んでいると思った。時々お会いして話を聞く現場の教員からも同様のことがよく出る。
継続性の保障がないということが本人にとって一番つらいのではないかと思う。生徒、地域、学校のことを把握して見通しを持って実践に取り組むには3年~5年ぐらいの期間の保障が必要だと思う。仕事を引き継いでいくという面でもそのことは大切である。私の例で言えば、退職を決めたのは55歳の時。受け持った1年生を3年間持ち上がったら定年を待たずに退職という絵を描いた。そのことから逆算して今やるべきことを考え、学校長にも希望を伝えた。1つはクラブ顧問を2年間かけて確保してほしいということ、もう1つは生徒会の仕事を引き継いでいく人員の配置をすることである。生徒会では主に文化委員会に関わっていたが、相棒がずっと講師の方であった。仕事はきちっとやってくれる方ばかりで助かったのであるが、次の年にはいないので覚えたことを活かすことができない。私の希望は数年は勤務する見通しのある正規の方とコンビを組んで一緒に仕事をやりながら引き継ぎたいということであった。校務分掌という仕事は個人経営の店のようなところがある。一番困るのは転勤して前任者がいない分掌を任された時である。今までの流れとかが分からないまま立案、提案をしていくのはとても大変である。出来ることなら避けたいものである。
22時30分からの「ヒーローたちの名勝負」では、2008年北京オリンピックでの男子400mリレーで史上初の銅メダルを獲得した4人のバトンパスを取り上げていたが、それを見ていて仕事もよく似ているなと感じた。見通しとお互いの信頼関係、その上に立った個人の努力、がんばりである。これは駅伝にも共通する。
このため、現在では本来、保障されるべき正規教員の病欠、産休のための慢性的な講師不足があると同時に身分の不安定な講師の数が増大しているという二重苦が現場にはある。番組で取り上げられた20代の女性の方のような例は珍しくなくなってきている。
彼女の場合、6か月でクラスが崩壊し、担任を外されたというが、酷な話である。沖縄県に次いで全国で2番目に臨時採用者が多い埼玉県の教育委員会に取材していたが、抜本的な解決を模索するよりも研修の機会を増やすという方向でお茶を濁しているように思えた。研修の中身と実効性は検証しないといけないのではないか。
このこと自体、研修というものの必要性に疑問を抱かせるものである。 この方の言葉はズシリと重い。この問題にしっかり取り組まないと今、打ち出されている教育施策は砂上の楼閣に過ぎず、教育の未来は開かない。