素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

1855年 安政江戸地震 ー幕末の首都直下地震ー

2024年07月09日 | 日記
 数年前に磯田道史さんの『天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災』 (中公新書 )を読んだ時、学校で習ってきた歴史では天災に関してが欠落していたことを痛感させられた。限られた分量の中では削らざるを得ないことは分かる。しかし、災害列島日本と呼ばれ、毎年のように大きな災害に見舞われている現状を見るにつけ、教科の中に「災害史」という独立したものがあってもいいのではないかと思う。

 豊臣秀吉が、天下統一前の天正地震では大坂へ逃げ帰り、統一後の伏見地震では伏見城を倒壊させられたなど、豊臣政権の存亡にこれらの地震が大きく関係していたことを考えれば、人物主役ではなく、「災害」を主役にして歴史を見る視点も必要。

 広重を考える際、安政江戸地震がとても大きな位置を占めていることを「EDOー100」(小学館)を読みながら感じた。自分の中に「安政の大獄」ほど「安政の大地震」が存在していなかったことに気付いた。
 
 1854年(安政元年)に発生した南海トラフ巨大地震である安政東海地震、安政南海地震、さらに飛越地震、安政八戸沖地震、その他伊賀上野地震に始まる安政年間に頻発した各地の地震を総称して「安政の大地震」と呼ばれるが、特に1855年(安政2年)に発生した安政江戸地震は歴史上大きな意味を持ったと思った。

 広重「名所江戸百景」は、この地震を抜きにしては語れないともう一度学び直すことにした。

【ゆっくり解説】1855年 安政江戸地震 ー幕末の首都直下地震ー
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「EDOー100~フカヨミ!広重『名所江戸百景』~」(堀口茉純・小学館)

2024年07月08日 | 日記
「広重展」のショップで、目に飛び込んだのが「EDOー100~フカヨミ!広重『名所江戸百景』~」(堀口茉純・小学館)だった。自分が学校で習ってきた歴史は、いかに浅いものであったかということを退職してから痛感している。

 浮世絵の認識もそうであった。北斎の事を深く知った時は衝撃的だった。もっと感性豊かな十代の頃であればと思ったものだ。広重とその時代背景をもう少し自分なりに勉強して後期の展示に備えておきたいと思った。直感的にこの本が良い案内をしてくれると手に取った。
 

 他に、以前に買って中途半端になっていた田中優子さんの「春画のからくり」(ちくま文庫)、「江戸百夢」(ちくま文庫)の2冊も気合いを入れ直して読むことにする。

 夏の宿題だ。
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あべのハルカス美術館「広重展」と四天王寺・七夕のゆうべへ

2024年07月07日 | 日記
 あべのハルカス美術館開館10周年を記念して【広重~摺の極~】が7月6日(土)から開催された。主催に、NHK大阪放送局、NHKエンタープライズ近畿も名を連ねているので、放送番組にも「歌川広重」がよく登場する。

 6月23日(日)から3週連続「歌川ぶるう」(朝6時10分~)が放映された。これまでは葛飾北斎一辺倒であったが、これがとても面白く歌川広重に興味を持った。時代背景などを知ると奥深いものを感じるようになり是非美術館で見てみたいと楽しみにしていた。

 ついでに、四天王寺の「七夕のゆうべ」にも立ち寄って来ようと思った。ビル陰の多くなる15時過ぎに行けば、猛暑も少しはましになるかと思い、午前中はジムに行った。あまりの暑さに家に居ても仕事にならない。軽めのメニューと思っていたが、午後からの計画に気分が高揚していたのかいつもよりハードなメニューをこなした。これが後にこたえてくる。

 気分はハイでも体は正直で、天王寺に着くころには足のだるさが半端ではなかった。運動をしたため深体温も上がり気味で、外気の暑さも加わり猛烈に喉も乾く。
 広重展は冷房がよく効いていて浮世絵の世界を楽しむことができた。
    しかし、あべのハルカスを出た瞬間外気の暑さに襲われ我慢の限界。四天王寺へ行く途中で王将に入り餃子と生ビール中ジョッキを2杯。ひと時の快感に浸るが、王将から四天王寺までの道中は酔いと午前中のジムでの運動の疲れが足に訪れ苦行となった。四天王寺手前で売っている冷やしきゅうり1本で生き返った。
 四天王寺は賑わっていた。暗くなるまで粘る体力はなく境内をひと巡りして帰路につく。足はますます重く、フルマラソンの帰りみたいだと気力で歩いた。「広重展」は8月6日(火)から後期で展示替えがある。是非訪れたいと思った。



四天王寺・七夕のゆうべ
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星田妙見宮七夕祭り

2024年07月06日 | 日記
 7月6日、7日は星田妙見宮の七夕祭り。地域の道路には旗が立てられ、SNSでも発信されている。結婚して3度引っ込したがすべて星田妙見宮の近く。特に2度目の家は徒歩5分ほどであった。息子は小学校時代をそこで過ごしたので妙見河原がセミ取りなど遊び場だった。

 その息子が妙見宮の七夕祭りは記憶がないと言う。交野で七夕祭りといえば機物神社しかイメージがなく「いつのまに?」というのが正直なところ。息子に言わせればネット上では機物神社より星田妙見宮の方が勢いがある。地元に居ながら知らないではいられない感じだ。と休日の明日、20数年ぶりに星田妙見宮に行ってみると話していた。ついでに大阪公立大学附属植物園と機物神社に行き「交野巡り」をするみたいだ。

 私は明日、天王寺方面へ行く予定をしているので一足早く妙見宮の七夕祭りに行ってきた。自転車なので風を受け暑さは苦にならないが日射しの強さには辟易した。「殺人光線」と形容した人もいたが同感。

 妙見宮は木も高く日差しが届かないので歩きやすい。息子の言う通り駐車場には他府県ナンバーも目立ち、SNS上ではかなり注目スポットになっているようだ。
   
 機物神社は境内も狭く賑わっている感があるが、妙見宮はゆったりとして厳かな感じがする。人気アップの理由が分かる。
  

 茅の輪くぐりは日本神話に由来がある。スサノオノミコトが旅の途中に宿を求めた、備後国の蘇民将来(そみんしょうらい)との逸話が起源。

 貧しいにもかかわらず、喜んでスサノオノミコトをもてなした蘇民将来に対し、弟である巨旦将来(たんしょうらい)は裕福にもかかわらず宿を貸そうとしなかった。数年後、再びスサノオノミコトは蘇民将来のもとを訪れ「疫病を逃れるために、茅の輪を腰につけなさい」と教えた。教えを守った蘇民将来は難を逃れられ、それ以来、無病息災を祈願するため、茅の輪を腰につけていたものが、江戸時代を迎える頃には、現在のようにくぐり抜けるものになったといわれている。
    

 今年前半の半年間の穢れを清めて災厄を払い、このあとの後半も無事に過ごせるようにと祈る。


 
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お札談議

2024年07月04日 | 日記
 久しぶりにジムに顔を出した。「体調が悪かったのか?」と心配された。連日の猛暑に熱帯夜で病院通いする人が多くなったみたいで、私もその一人に入れられていたようだ。

 ロッカールームの話題は、昨日発行された新札のこと。新札を手にした人はまだいない。「新札より診察のほうが最優先ですわ」と笑う。子どもの頃の100円札の板垣退助、500円札の岩倉具視が大金に思えた懐かしい話。記憶力テストのようなものだ。その頃は聖徳太子がずい分幅を利かせていてお札=聖徳太子が刷り込まれた。伊藤博文の1000円札は新鮮だったは大方の一致するところ。東京オリンピックとも重なる。聖徳太子が消えたのは昭和59(1984)年、福沢、新渡戸、夏目という今につながる形になった。皆の記憶を少々乱したのは福沢諭吉だけが他の二人より20年長く10000円札にとどまったこと。40年という年月は長く、頭が渋沢栄一に切り替わるにはなかなかと笑う人もいる。「この中で次の新札を迎える人はほとんどいないからゆっくり慣れればいい」と長老の締めの言葉で各自トレーニングに向かう。

 昨日の「余録」のお札4人衆の関わりは興味深く読んだ。
 
【「官尊民卑の気風最も盛んなる世の中に」「初志を貫いてついに今日の地位を占め、天下一人として日本の実業社会に渋沢栄一あるを知らざるものなし」。福沢諭吉の渋沢評である▲5歳年下の渋沢は初対面の際「いっぷう変わった人」と感じたらしい。大隈重信邸で将棋を指したこともあった。「商売人にしては割合強い」と言われ「へぼ学者にしては強い」と言い返したという▲つかず離れずの関係だったが「実業界と政界を同列に扱うべきだ」という福沢の主張には大いにうなずいている。きょうから20年ぶりの新紙幣が発行され、1万円札の顔は40年ぶりに福沢から渋沢に変わる。共に官から距離を置き、民間で活躍した人物である▲5000円札の津田梅子と1000円札の北里柴三郎もそうだ。福沢とも接点がある。津田の父は幕末に福沢とともに通訳として渡米した。ドイツのコッホ研究所から帰国後、政府から冷遇された北里を支援したのが福沢だった・・・】 
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