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引っ張った割には『TENGU』by柴田哲孝

2017年12月08日 | 小説レビュー
〜26年前の捜査資料と、中央通信の道平(みちひら)記者は対面した。
凄惨(せいさん)きわまりない他殺体の写真。そして、唯一の犯人の物証である体毛。
当時はまだなかったDNA鑑定を行なうと意外な事実が……。
1974年秋、群馬県の寒村を襲った連続殺人事件は、いったい何者の仕業(しわざ)だったのか? 
70年代の世界情勢が絡む壮大なスケールで、圧倒的評価を得て大藪春彦賞に輝いた傑作。


う〜ん・・・(^_^;)
なかなか面白かったと言えば面白かったし、アカンと言えばアカンし(-_-;)
評価が難しい作品です。

『TENGU』というタイトルと、導入部の事件、「おっ!これは期待できるかも?」と思いましたが、から、何となく最後までダラ〜っとした展開でしたね。

キャラクター設定、展開、緊迫感、疾走感、そして「TENGU」の正体と彩恵子の過去・・・、どこをとっても、あと一歩という感じでした。

クライマックスからエンディングの描写も含めて、盛り上がりかけたところで水を差されるというか、自分で火消しをしているというか(^_^;)

ストーリーの着眼点や、ベトナム戦争〜9/11同時多発テロまでを繋げていく設定なども、中々のものがあったと思うので、編集者の力不足でしょうかね?

読んで損は無いですが、引っ張った割には、得られたものも少ないです。

★★☆2.5です。