~あきらめなければ、夢は必ずかなう!中学選抜選手権で優勝した男は、年齢制限のため26歳にしてプロ棋士の夢を断たれた。
将棋と縁を切った彼は、いかにして絶望から這い上がり、将棋を再開したか。
アマ名人戦優勝など活躍後、彼を支えた人たちと一緒に将棋界に起こした奇跡。生い立ちから決戦まで秘話満載。「BOOK」データベースより
2018年秋に映画化のニュースをテレビで見て、「このキャスト(主演:松田龍平、そして、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼・・・etc)なら観てみたいなぁ~」と思ったので・・・、早速、小説を借りてきて読みました。
将棋の世界では藤井聡太さん(15歳)が、現在6段で、公式戦通算成績は71勝11敗。自身2度目の公式戦16連勝を飾って、破竹の勢いで活躍中です。
少しマメ知識ですが、将棋のプロ(いわゆる棋士)になるには、大変厳しい試練を勝ち抜かなければなりません。『聖の青春』を読んだときにも触れましたが、奨励会というプロ育成の組織に入る試験を受けて、合格した者の中から半年に2名ずつしかプロになれず、26歳の誕生日を迎えるまでにプロになれなければ奨励会を退会しなければなりません。
そこで、退会する人たちは、将棋一筋に26年間の人生の全てを捧げてきた人が、突然、将棋以外の道を歩まなければならいということは、解説にも書いてある通り、「身ぐるみを剝がされて、真冬に外に放り出されるようなもの」とのことです。
著者の瀬川晶司さんは、まさに奨励会を26歳で退会し、今後の人生を一から始めるということで、大学に入り、NECのコンピュータ関連会社に就職し、第二の人生を歩み始めたのですが、そこで将棋と再会し、もう一度、プロになる為に、多くの仲間たちと共に、将棋連盟という組織を動かし、61年ぶりとなる異例中の異例のプロ編入試験を勝ち抜いて、35歳にしてプロ棋士となられました。
現在も、プロ棋士として頑張っておられますが、やはり将棋界もご他聞にもれず、若い棋士がグングン出てきますので、どうしても目覚しい活躍は出来ていないようです。
しかしながら、瀬川さんの挑戦は、世の中に大きな旋風を巻き起こし、「夢は諦めなければ、きっと叶う」ということを体現した素晴らしい方です。
小説の内容というか、実話なのに、とても読みやすく、瀬川さんの揺れ動く感情が、見事に表現されています。最大の恩師ともいえる「苅間澤先生」との再会が叶わなかったのが残念ですが、今野さんとの電話のくだりは涙なしでは読めません。
とても素晴らしい作品でした。あらためてプロと呼ばれる方々の凄さを垣間見た気がします。
★★★☆3.5です。
将棋と縁を切った彼は、いかにして絶望から這い上がり、将棋を再開したか。
アマ名人戦優勝など活躍後、彼を支えた人たちと一緒に将棋界に起こした奇跡。生い立ちから決戦まで秘話満載。「BOOK」データベースより
2018年秋に映画化のニュースをテレビで見て、「このキャスト(主演:松田龍平、そして、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼・・・etc)なら観てみたいなぁ~」と思ったので・・・、早速、小説を借りてきて読みました。
将棋の世界では藤井聡太さん(15歳)が、現在6段で、公式戦通算成績は71勝11敗。自身2度目の公式戦16連勝を飾って、破竹の勢いで活躍中です。
少しマメ知識ですが、将棋のプロ(いわゆる棋士)になるには、大変厳しい試練を勝ち抜かなければなりません。『聖の青春』を読んだときにも触れましたが、奨励会というプロ育成の組織に入る試験を受けて、合格した者の中から半年に2名ずつしかプロになれず、26歳の誕生日を迎えるまでにプロになれなければ奨励会を退会しなければなりません。
そこで、退会する人たちは、将棋一筋に26年間の人生の全てを捧げてきた人が、突然、将棋以外の道を歩まなければならいということは、解説にも書いてある通り、「身ぐるみを剝がされて、真冬に外に放り出されるようなもの」とのことです。
著者の瀬川晶司さんは、まさに奨励会を26歳で退会し、今後の人生を一から始めるということで、大学に入り、NECのコンピュータ関連会社に就職し、第二の人生を歩み始めたのですが、そこで将棋と再会し、もう一度、プロになる為に、多くの仲間たちと共に、将棋連盟という組織を動かし、61年ぶりとなる異例中の異例のプロ編入試験を勝ち抜いて、35歳にしてプロ棋士となられました。
現在も、プロ棋士として頑張っておられますが、やはり将棋界もご他聞にもれず、若い棋士がグングン出てきますので、どうしても目覚しい活躍は出来ていないようです。
しかしながら、瀬川さんの挑戦は、世の中に大きな旋風を巻き起こし、「夢は諦めなければ、きっと叶う」ということを体現した素晴らしい方です。
小説の内容というか、実話なのに、とても読みやすく、瀬川さんの揺れ動く感情が、見事に表現されています。最大の恩師ともいえる「苅間澤先生」との再会が叶わなかったのが残念ですが、今野さんとの電話のくだりは涙なしでは読めません。
とても素晴らしい作品でした。あらためてプロと呼ばれる方々の凄さを垣間見た気がします。
★★★☆3.5です。