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破天荒な生きざま!「高杉晋作①②③」by山岡荘八

2018年06月27日 | 小説レビュー
〜黒船をひきいて1853年、ペルリが浦賀に来航した。
開国佐幕派と倒幕勤皇攘夷派に二分された国内は混乱をきわめた。
そのさなか、革新を叫ぶ吉田松陰の刑死は、松下村塾の塾生たちを動揺させた。
師の志をどうしたら活かせるのか?動乱の世を生きる若き志士高杉晋作は、日本国再興のため苦悶する。
「BOOK」データベースより)


「真(まこと)があるなら 今月今宵 明けて正月 誰も来る」高杉晋作が決起するときに呼びかけた檄です。

亡き父が、生前「歴史上の英傑で最も好きなのは高杉晋作や。」と言っていました。
色々な場面で高杉晋作の名前は知っていますが、その人物像について深く掘り下げたことはありませんでした。

高杉晋作に関する書物は、たくさん出版されていますが、中でも山岡荘八氏が書いた「高杉晋作①、②、③」が一番良いとの評判だったので、3巻組みを借りてきて読みました。

「男が惚れる男」として評判の高い高杉晋作ですが、あまりの「破天荒・型破り」な性格と行動が突き抜け過ぎて、味方も多いが敵も多く、命を狙われることも多々あったようです。

しかしながら、江戸末期の日本は、内憂外患、それも喫緊の課題が山積している国難続きの状態の中で、高杉のような風雲児の登場は至極当然のことのようにも思います。

もちろん高杉以外にも、明治維新の立役者である幕末の志士は数多くいますが、その中でも異彩を放ち、輝いてますよね。

旧態依然とした日本の体制を打破すべく、各地で名を馳せる賢人達を訪ねて問答する内容や、藩の上役に対する談判、イギリスをはじめとする諸外国の総督との交渉術などなど・・・、心は熱く頭は冷静に、事を成し遂げていく姿には感服します。

僕自身の器を鑑みて、あまりに破天荒すぎる高杉晋作の生きざまを真似しようとか、憧れるとかはありませんが(^^;、「男が惚れる男」として、魅力ある人物であることは間違いありません。

さて、小説としての評価ですが、文章が非常に上手で、サラサラと読めます。それでも3巻組みなので、読み終えるのに時間がかかってしまいました。

物語に、もう少し熱量があれば、感動に震えたり、最後の場面では涙したかもしれませんが、全体を通して、そこまでの盛り上がりはありませんでした。

史実に基づいた歴史伝記のような感じで、高杉の軌跡を時系列で追っていくには充分な内容です。
★★★3つです。