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「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

評価の逆転!まさにどんでん返し『彼女がその名を知らない鳥たち』by沼田まほかる

2018年06月30日 | 小説レビュー
~八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。
下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。
そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。衝撃の長編ミステリ。「BOOK」データベースより


「小説、とくにミステリーが好きなんですよ」と話していたら、「沼田まほかるで『ユリゴコロ』が流行っているけど、『彼女がその名を知らない鳥たち』っていうのがあるから、是非読んでみて」とを知り合いから薦められたので図書館で借りてきました。

まぁこれほど見事な「大どんでん返し」は、中々ないでしょう!? 文中の見事なトリックで読者をミスリードして、最後の最後で「実はこの人が犯人だった」とか、叙述ミステリーといわれるストーリーの中での大逆転は、色んな小説で読んできましたし、大好きなジャンルです。

この『彼女がその名を知らない鳥たち』は、もちろんストーリーの中での大どんでん返しがクライマックスに用意してあるんですが、最後のページを読み終えた後に、キャラクターに対する評価も大逆転してしまうんですね。これは非常に珍しいケースです。

この作品は映画化もされていて・・・『彼女がその名を知らない鳥たち』予告編


主演が蒼井優、阿部サダヲなんですよ!これだけで、物凄い期待感がありますよね。そして松坂桃李、村川絵梨、竹野内豊などが好演しており、予告編だけでもかなりそそられます。観てみましょう!

あまりストーリーに触れるとネタバレになるので、多くは語りませんが、前半の「汚く、暗く、ジメジメとした雰囲気」と、十和子、陣治の「どうしようもない堕落した関係、荒んだ暮らしぶり」に吐き気を覚えますが、それを乗り越えれば、きっと「読んでよかったぁ~」って思ってもらえる好作品です。

★★★★4つです。