~昭和初期、女中奉公にでた少女タキは赤い屋根のモダンな家と若く美しい奥様を心から慕う。
だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、戦争の影もまた刻々と迫りきて―。
晩年のタキが記憶を綴ったノートが意外な形で現代へと継がれてゆく最終章が深い余韻を残す傑作。
著者と船曳由美の対談を巻末収録。「BOOK」データベースより
松たか子と黒木華のダブル主演で映画化されている名作です。
『家政婦は見た』じゃないですが、昭和初期の女中が垣間見た家庭の秘密、何気ない日常のお話です。
戦前の上流階級の家庭に女中として仕えるタキが、自分史のような形で書き連ねた文章となっており、時折顔を出す甥孫の健史が茶化しながらもエエ味を出しています。
最終章では色々なことが明らかになり、タキの儚くも凜とした生きざまと、時子と板倉の叶わぬ恋路の思い出が昇華されていくように、読む者の心にストンと落ちていきます。
激動の戦前・戦中・戦後を生き抜いた女性の物語でありながら、悲惨で禍々しいような描写は一切なく、とてもサラッとフワッとした気持ちで読み終えられます。
老若男女問わず、色々な世代の人に受け入れられる名作だと思います。
★★★☆3.5です。
だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、戦争の影もまた刻々と迫りきて―。
晩年のタキが記憶を綴ったノートが意外な形で現代へと継がれてゆく最終章が深い余韻を残す傑作。
著者と船曳由美の対談を巻末収録。「BOOK」データベースより
松たか子と黒木華のダブル主演で映画化されている名作です。
『家政婦は見た』じゃないですが、昭和初期の女中が垣間見た家庭の秘密、何気ない日常のお話です。
戦前の上流階級の家庭に女中として仕えるタキが、自分史のような形で書き連ねた文章となっており、時折顔を出す甥孫の健史が茶化しながらもエエ味を出しています。
最終章では色々なことが明らかになり、タキの儚くも凜とした生きざまと、時子と板倉の叶わぬ恋路の思い出が昇華されていくように、読む者の心にストンと落ちていきます。
激動の戦前・戦中・戦後を生き抜いた女性の物語でありながら、悲惨で禍々しいような描写は一切なく、とてもサラッとフワッとした気持ちで読み終えられます。
老若男女問わず、色々な世代の人に受け入れられる名作だと思います。
★★★☆3.5です。