「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

評価は1か5か!?僕は・・・『サヨナライツカ』by辻仁成

2016年07月13日 | 小説レビュー
~「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトとにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す」。“好青年”とよばれる豊は結婚を控えるなか、謎の美女・沓子と出会う。そこから始まる激しくくるおしい性愛の日々。二人は別れを選択するが二十五年後の再会で…。愛に生きるすべての人に捧げる渾身の長編小説。(「BOOK」データベースより)


最近、道尾秀介さんや貫井徳郎さん等々、暗く重い物語のばかり読んでいたので「何か軽く読めそうなものを・・・」と、図書館で探していたところ、この「サヨナライツカ」が目に止まりました。

タイトルと作者を見て「確か中山美穂?」と浮かんだのは皆さん共通の認識ではないでしょうか?

さて内容ですが、背が高くスポーツマンで仕事も出来る航空会社のエリートサラリーマンが、申し分のない良妻賢母タイプの婚約者との結婚を間近に控えた中、赴任先のタイ・バンコクで、妖しく魅力的な日本人女性と出会い、激しい恋に落ちるという物語です。

サラサラと読みやすく、一気に読み終えました。

その後で、Amazonのレビューを読むと、星が「5」の人と、「1」の人とにスッパリと分かれていました。

これは、読む人の環境によって、「なんという純愛」という人と、「そんなアホな」という人とに分かれているんだと思います。

僕はどっちの気持ちもわかる気がしますね(^_^;)

小説って、読む人の妄想力によって全然違うものになると思いますし、冷めた目で、文章のまま活字だけを追っていると、「そんなアホな」となることでしょう。

要は、妄想の翼を大きく広げて、物語を楽しもうとすれば、どんな小説でも楽しめると思いますよ。

さて評価ですが、やはり感情移入も出来ませんし、情景描写や表現も若干薄く感じるので、評価としては、

★★☆2.5ですね。

久しぶりのマルホ!

2016年07月13日 | グルメ
今日は、仕事で左京区の方へ行く用事があったので、久しぶりにマルホベーカリーでお昼ごはんを食べました。

たまたま、水曜日のパスタランチがカルボナーラやったんで、タイミングが良かったです!

もちろんいつもの「塩パン」を付けて、豊かな昼食となりました。

やっぱり、いつ食べても美味しく、コストパフォーマンスの高いランチですよね!

また機会があれば、訪れたいお店です(*^-^*)ゞ

悲しい嘘の連鎖「球体の蛇」by道尾秀介

2016年07月11日 | 小説レビュー
~あの頃、幼なじみの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった……。狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことのできないあやまち。矛盾と葛藤を抱えて生きる人間の悔恨と痛みを描く、人生の真実の物語。「BOOK」データベースより


すごく、ほのぼのとした書き出しからは想像も出来ない、「暗く重く切ない嘘」、そして、勘違いや自分勝手な思い込みから、後戻りできない袋小路に迷い込んでしまう、ミステリー小説です。

ジャンル分けとしては「ミステリー」なんですが、主人公の心や頭の中で、大どんでん返しが起こるため、ドーン!とした盛り上がりはありません。

また、「そうやったんや!」ではなく、「そうやったんか?」という、どちらにでも取れるような展開をしていくため、少しモヤモヤします。

でも、不快感があるモヤモヤではなく、登場人物がとる行動、言ってしまった言葉をとらえてみても、「そうやなぁ・・・、誰だって、きっと、そう思うやろうな」と、同情的に読んでしまいます。

クライマックスからエピローグに移るあたりで、少しホンワカとした気持ちにさせられ、「このまま終わるのかな?」と、思わせておいて、最後の5行ほどで、「むむっ!?これは!?」と、考えさせられ、最後のページをめくると、一行だけ書いてある文章に、じわ〜っと、何とも言えない余韻を残し、幕が降ります。

人は誰しも、小さな嘘やごまかしを内包して生きています。

それによって、誰かを傷つけたり、その刃で自分自身が致命的な痛みを受けるという、とても深く悲しい物語であります。

文中に『星の王子さま』の引用が多く出てきます。『星の王子さま』の内容は、あまり覚えていませんが、ものごとを「大人のいう当たり前(固定観念や思い込みからくる)」に捉えていると、本当の真実や大切なもの見失うということやったように思います。

確か、家にもあったと思うので、大人になった今、改めて読んでみたいと思います。

球体の蛇の評価ですが、色々と考えさせてもらう機会をいただいたので、
★★★3つです。

やはりウマイ!「ラーメン藤・本店」

2016年07月10日 | 家族・友達
東京に住んではる先輩が帰って来てはったんで、恒例のラーメンを食べに行きました。

「どっか、美味しいとこ探しといてや!」と言われていたのですが・・・(^_^;)
最近、新しいお店を発掘していないので、「ここは、原点に戻って」と、言い訳のようですが、余計な手を加えない、「シンプルイズベスト」な味で迎えてくれる、ラーメン藤・本店に行きました。

相変わらず、安心できる味で、先輩も喜んでくれはり、しかもご馳走になってしまいました!

その後もコメダ珈琲に移動して、お互いの近況や、思い出話に花が咲き、とても有意義な時間を過ごせました。

感服!『鬼の足音』by道尾秀介

2016年07月07日 | 小説レビュー
~刑務所で作られた椅子に奇妙な文章が彫られていた。家族を惨殺した猟奇殺人犯が残した不可解な単語は哀しい事件の真相を示しており…(「〓(ケモノ)」)。同級生のひどい攻撃に怯えて毎日を送る僕は、ある女の人と出会う。彼女が持つ、何でも中に入れられる不思議なキャンバス。僕はその中に恐怖心を取って欲しいと頼むが…(「悪意の顔」)。心の「鬼」に捕らわれた男女が迎える予想外の終局とは。驚愕必至の衝撃作。(「BOOK」データベースより)

素晴らしい!(^人^)

「これは短編集ですよね?」って問い掛けたくなるほど、6つの物語の内容が濃い!

ミステリーというよりも、ホラー、サスペンス小説です。

解説を京極夏彦氏が書いておられるのですが、まさに絶賛です。

同じジャンルの作家さんから絶賛されることほど嬉しいことはないでしょうね。

とにかく僕も、道尾秀介氏の作品を読むたびに絶賛していますが、この人は本当に天才です!

トリック抜き?で、これほど読ませる文章が書ける人は少ないと思いますよ。

作中の「鬼」は、人の心の中に巣食う悪意の塊で、人間の誰しもが内包しているものだと思います。

それが、理性という殻を破って表面に這い出てきたとき、人は人でなくなり、鬼と化すのでしょう。

そういう物語が短いページ数の中にギッシリと詰まった見事な短編集です。

ホラーやサスペンスが嫌いな方でなければ、是非ご一読下さい。

★★★☆3.5です。

この世界観は好き『ユージニア』by恩田陸

2016年07月06日 | 小説レビュー
~「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー。「BOOK」データベースより


『夜のピクニック』に次ぐ、恩田陸作品第2弾です。

「これは読むべし!」的なレビューがとても多く、ブックオフで購入しました。

読みはじめから、薄いモヤというか、霞がかかったような不思議な雰囲気が漂い、「ああ〜、この世界観は惹かれるわぁ(^^)b」と思いました。

世間を震撼させるような大事件が起こり、その関係者が当時を振り返りながらのインタビュー形式で物語が進行します。

湊かなえさんの作品でも、こういう技法は良く見られますね。

スゴくミステリアスな登場人物のキャラクターに、ますます引き込まれる一方で、「?(・_・)?」という疑問点がいくつか浮かび上がりますので、頭の片隅に「あれはどうなん?」と、未消化のまま進んでいきます。

結局、その疑問点は最後まで払拭されないまま、ある意味「謎は謎のままで」エンディングを迎え、やや消化不良の結末です。

伏線回収率や、「そうやったんか!」という読後感を求めるならば、この作品はオススメできません。

でも、とても美しくも儚い物語なので、「そういう終わりか方もありね」と納得してくれはる方になら、読んでいただきたい作品です。

中盤までの期待感が高かっただけに、
★★★3つです。

惜しむらくは文章力不足『連続殺人鬼カエル男』by中山七里

2016年07月03日 | 小説レビュー
~口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。「BOOK」データベースより


『さよならドビュッシー』以来、2作目の中山七里作品です。

このタイトルは、かなりのインパクトがあり、「大どんでん返しがスゴいミステリー!」との評判で、ずっと読みたかったんです。

しかし作者が、「さよなら・・」の中山七里氏ということで、購入を最後まで迷っていました。

こないだ、めざましテレビで、映画が近日公開されるということを知って、「映画化されるぐらいやから、オモシロイはず!」と、購入を決断しました(大袈裟やねぇ(^_^;))

さてさて、読み始めてみて、「やっぱり・・・(-_-;)」という感じでしたが、せっかくなので頑張って読みました。

猟奇的な殺人事件が起こり、死体の側にメッセージが残されているという、映画「セブン」のような感じで物語は進行します。

また、その描写がエグくて、ゴハン食べながらは読めません。

この作品でも、クラシックの名曲が流れるシーンが多用されており、やはり「別れの曲」のシーンでは、再びyoutubeで聴きながら読みました。

中盤の「警察署での攻防」のシーンも無駄に長く、格闘シーンもかなり痛々しいので、読んでいて疲れが出てきたところで、いよいよタネ明かしがきます。

ここからは中々驚かせてくれますよ!最後の最後まで、しっかりと引っ張ってくれて、オチも中々オモシロい落とし方でした。

しかしながら、全体を通して、文章の連ねかたが今一つで、「やっぱり・・・(-_-;)」という印象は読後も変わりません。

逆に解説は、とても読みごたえがあり、「そんなに評価高いの!?」と、思い直させてくれます(^_^;)

★★★3つです。