「キャタピラー」を観た

　　　　お盆が過ぎても一向に涼しくならない。今日の残暑も酷暑！
　　　　酷暑だからだろうか、反戦・非戦の映画「キャタピラー」の座席
　　　　は、１４日封切でここＤｅｎｋｉｋａｎだけというのに半分弱。
　　　　セックスシーンがあるからかＲ１５で、小中学生は観られない
　　　　ということもあるのか。

　　　　寺島しのぶ肉薄の演技はさすが。
　　　　焼けだだれた顔と声の出ない食べるだけの口、
　　　　両手足のない体の「軍神」さま。
　　　　この「軍神」さまになるに至った中身が問題なのだが、
　　　　この夫の世話をするという、銃後の複雑な日本女性を演ずるのは、
　　　　やはりこの人しかいない。
　　　　そしてその裸体には日本的な美しさがある。
　　　　出征者を戦地に送り出す田舎の田園風景や神社も効いている。

　　　　それにしても、この「軍神」役の大西信満の演技は、
　　　　大変つらかっただろうと思った。寺島しのぶは、今年のベルリン
　　　　国際映画祭で最優秀女優賞である銀熊賞を獲得したから報われ
　　　　ただろうが、大西信満も、もっとマスコミに取り上げられていい
　　　　のでは・・・。

　　　　戦争を描いた作品は一人で観るには重い・辛いと思い、今回友人
　　　　を誘ったけれど、意外と大丈夫だったかも。最後の方でヒロシマ
　　　　ナガサキの原爆場面を観ていて、ふと、これは虐殺だと感じた。

　　　　是非、観に行ってほしい映画だ。