長崎の前川弘明氏が代表を務めてこられた『拓』が
2016年1月発行で終刊号となりました。
わたくしの手元には、1月8日に届きましたが、
その2・3日前に俳友から聞いておりました。
馬洗う月光の水そそぎては 前川弘明
秋の野のさびしさとして馬ふたつ 〃
13年間季刊誌として編集発行して来られた前川氏に
何があったのかなかったのかなど
知る由もないわたくしですが、
わたくしには寝耳に水の出来事でした。
終刊号を手にいたしますと、
胸がいっぱいになり、
その夜は眠れませんでした。
私の作品発表の場を『拓』と『連衆』に決めて、
心機一転がんばろーと思っていた矢先だったからです。
5年間お世話になり・・・・・・
終刊号手に春昼を放心す 知青
七草を噛んで終刊号のなか 〃
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終刊号手にして一草粥にする 知青
ここで、<七草粥>にしないで<一草粥>にして
その時の私は、自分の気持に添っている句だったので、
気持がおさまりました。
でも、それでいいのかと、ずっと気になっていました。
そして、この句は、自分のことしか考えてない句だと気づいたのでした。
ご苦労の多かったであろう13年間、
終刊号を迎えた労いとことほぐことに思い至ったのでありました。
ここは、<七草粥>で受け止めるべきだ。
そうすれば、
句に香りが漂い、
豊かさと包容力がある、
ように思えたのでした。
終刊号手にして七草粥にする 知青
たいした句ではないかもしれませんが、
私には貴重な句となりました。
3月20日に短歌と俳句の文学誌を創刊発行します!
2月24日印刷所に、
編集の済んだUSBメモリと文芸誌サイズにプリントアウトした冊子を持って行き、
入稿が終わりました。
もうすぐ初校となります。
今回創刊号の俳句のほうは、
超結社で九州在住の10名の方々にご寄稿をお願い致しました。
第2号でも、結社に拘らずの参加同人が増えることを願っています。
ご支援をお願いします。
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