続・知青の丘

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短歌俳句誌「We」より<3月31日>の一句(第7号)

2020-03-31 19:41:33 | 俳句
あなたってれもん罪なら水びたし  亀山 朧

中句切れで読むとする。
あんたってれもんだよ、
もしあんたに罪があるとすればさあ、
あたしを水びたしにしたことさ
みたいな感じかな。
官能的といえばそうも読める。

同じ連作中に
<解剖をいとしくあなた蘭ゆらり> 
のような句もある。
 この句について、
赤野四羽さんは「ややネクロフィリックな句」とした。
私は、泉鏡花の短編「外科室」の
麻酔無しの手術台の場面を思い出した。
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きょうは、茹でた筍を兄が持ってきたので、
庭で採れたツワブキと薄揚げ(これしかなかった)と
一緒に煮ものにした。
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短歌俳句誌「We」より<3月30日>の一句(第6号)

2020-03-30 22:14:51 | 俳句
あんなにも桜をすうっと抜けて来た   竹本 仰

「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!」
(梶井基次郎の短編「桜の樹の下には」より)が
きっと下敷きにある句だろう。

芭蕉45歳の時の句に
さまざまの事おもひ出す桜かな

桜に対する思いは、それこそ十人十色。
私などは、表面的には、
満開のソメイヨシノなんて、
遠景で塊を観るからその美しさに圧倒もされるが、
一つひとつをじっくり愛でるような花ではないと思っている。
ちょっと雄蕊は異様な感じがするが。

掲句の「すうっと抜け」る「あんなにも」は、
その時の速度なのか、それまでの回数なのか。

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毎日一句ずつUPして
すこしのコメントを書くことを続けるということは
やはりたいへんだなあ~
あっという間に一日が終わるんですもん。




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短歌俳句誌「We」より<3月29日>の一句(第5号)

2020-03-29 22:24:02 | 日記
つくしんぼ並ぶ順番間違わないで    宇田蓋男

藤後左右(1908-1991)の句
<新樹並びなさい写真撮りますよ>
を想起させる、口語調の句。
作者宇田は口語俳句をとても楽しみ、
軽妙な句を沢山作っている。
<冬来たりなば白バイに追い越さる>もその一つ。

「間違わないで」が気になっているのだが
「間違はないで」? 「間違えないで」?
       
藤後は京大医学部卒業後に、
平畑静塔らと「京大俳句」を創刊している。
復員後は、郷里志布志で病院経営しつつ、
志布志湾開発反対の住民運動に身を投じてもいた。
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土曜日にランチに行った。
その店には、お客さんが結構待っていて
わたしらは8組待ちだったが、
もうその気で来ているので暫く待った。
広いフロアで三々五々というふうに
間隔を空けて座ってた。
葬式帰りの人たち(予約客)もランチを摂るために
集団でやってきた。
大繁盛じゃあ!
食事は個室みたいに区切ってあるので問題ない。


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短歌俳句誌「We」より<3月28日>の一句(第6号)

2020-03-28 23:27:14 | 俳句
苦労とは言はざりし母沈丁花   島松 岳

句中の「母」は、<母性>と読み替える必要があろう
(と、書いたけれど、
いやいやむしろ逆ですね、
作者の「母」だからこそ、ですかね。)
<父>だって、出来ない我慢も頑張って我慢し
子どもに食べさせていただろうが、
敢えて「苦労」とは口には出さないだろう。

しかし、無償の犠牲的献身を思うとき、
やはり母親との絆は、
へその緒まで立ち返るわけだから
「母」の方を讃えたとしても
<父>も文句はないだろう。
沈丁花が香りも添える。

ヤプログから引っ越しをしてきて、
いつの間にかトータル閲覧数が10000を超えていた。
なんだかな~
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短歌俳句誌「We」より<3月27日>の一句(第6号)

2020-03-28 00:50:52 | 俳句
にんげんをぽたぽた落ちてみな魚  男波弘志

「We」第6号に招待作家として来ていただき、
今はWe同人。
「螺旋に棲むさかなたちの抄ー若き創造者たちへのオマージュとして」
と題された連作50句のうちの一句。

この「にんげん」という平仮名書きはどう解釈するのだろう。
煩悩は多いがそれゆえに
いとしい存在ということだろうか。

進化の過程とは逆方向に向かっていて
視点を変えて観ることの面白みを感じた。



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