米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
第33回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
なにはともあれ、読むと良いです!
凄い!面白い!且つ勉強になる!!
作者の少女時代の振り返りと、
30数年を経た学友たちの今昔を描いています。
そもそも、米原万理さんの境遇が稀有!
9歳から14歳までの多感な少女時代、
大戦後間もない政情不安な1960年から1964年までを
プラハにあった「ソビエト学校」で過ごしたといいます。
この学校はプラハにありつつ、ソ連派遣の教師によるソビエト式小・中学校で、
50か国もの国の共産党幹部の子弟・子女が在籍していたと言います。
解説でも書かれていますが、親や祖国の政治的立場の
影響を(良くも悪くも)受けざるを得ない子どもたちが
集まっている学校ということです。
そこで出会った3人の友人を軸にした、
少女時代と、大人になってから。
ギリシア人のリッツァ。
ルーマニア人のアーニャ。
ユーゴスラビア人のヤスミンカ。
それぞれに複雑な国際事情・民族的事情を持ちつつ
少女らしい友達関係を築いています。
作者の米原さんは1968年に起きた「プラハの春」の直前に
父親の仕事の都合で日本に帰国。
言い換えれば、チェコに残っていた学友たちは
「プラハの春」とその後に翻弄されたということでもある。
「プラハの春」を戦車で押しつぶしたソ連は1991年に崩壊。
ルーマニアでは共産の皮をかぶった独裁政権の
チャウシェスクは1989年に転覆、
ユーゴスラビアは1991年から2000年にかけて紛争の泥沼化。
30年を経て訪ねた友人たち。
作者の稀有な境遇でないと書けないし、
これだけの筆力と広い視野を持った作者でなければ
書けなかったであろう一冊です。
必読!
第33回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
なにはともあれ、読むと良いです!
凄い!面白い!且つ勉強になる!!
作者の少女時代の振り返りと、
30数年を経た学友たちの今昔を描いています。
そもそも、米原万理さんの境遇が稀有!
9歳から14歳までの多感な少女時代、
大戦後間もない政情不安な1960年から1964年までを
プラハにあった「ソビエト学校」で過ごしたといいます。
この学校はプラハにありつつ、ソ連派遣の教師によるソビエト式小・中学校で、
50か国もの国の共産党幹部の子弟・子女が在籍していたと言います。
解説でも書かれていますが、親や祖国の政治的立場の
影響を(良くも悪くも)受けざるを得ない子どもたちが
集まっている学校ということです。
そこで出会った3人の友人を軸にした、
少女時代と、大人になってから。
ギリシア人のリッツァ。
ルーマニア人のアーニャ。
ユーゴスラビア人のヤスミンカ。
それぞれに複雑な国際事情・民族的事情を持ちつつ
少女らしい友達関係を築いています。
作者の米原さんは1968年に起きた「プラハの春」の直前に
父親の仕事の都合で日本に帰国。
言い換えれば、チェコに残っていた学友たちは
「プラハの春」とその後に翻弄されたということでもある。
「プラハの春」を戦車で押しつぶしたソ連は1991年に崩壊。
ルーマニアでは共産の皮をかぶった独裁政権の
チャウシェスクは1989年に転覆、
ユーゴスラビアは1991年から2000年にかけて紛争の泥沼化。
30年を経て訪ねた友人たち。
作者の稀有な境遇でないと書けないし、
これだけの筆力と広い視野を持った作者でなければ
書けなかったであろう一冊です。
必読!