学生時代、内村鑑三の『代表的日本人』(岩波文庫)を読んで以来、江戸時代の名君上杉鷹山にずっと関心があり、童門冬二『小説上杉鷹山』(学陽文庫)や藤沢周平『漆の実のみのる国』(文春文庫)なども読み、一度米沢に行ってみたいと思っていて、先日(20日)ようやく行くことができました。
ほんとうに人民が幸せになれる国づくりは、近代ならやはり北欧、スウェーデンやデンマークでしょうが、日本にも、江戸時代という時代的制約を考えるとよくぞここまでという国づくりをした人がいたということは、誇りにしていいことだと思います。
石碑になっている、鷹山公が跡を譲る時に継子治広に示した有名な「伝国之辞」を読みながら、あの時代にここまで国家と人民の関係を深く正しく捉ええた人がいたことに、改めて感動をおぼえました。
一、 国家は、先祖より子孫へ伝え候国家にして、我私すべき物には無之候、
二、 人民は、国家に属したる人民にして、我私すべき物には無之候、
三、 国家人民の為に立たる君にして、我私すべき物には無之候、
右三条、御遺念有間敷候事、
天明五巳年二月七日 治憲 花押
治広殿 机前
「君主、トップ・リーダーは、国家人民、共同体と共同体のメンバーのために存在する」という、このあまりにも当然ともいえることを深く自覚し、本気で実行した君主がかつて日本にいたのですね。
往復の新幹線の中で、童門冬二『上杉鷹山と細井平洲』(PHP文庫)を読みました。
現代日本にも、聖徳太子や鷹山のようなリーダーが育ってほしい、そうしたリーダーを育てる平洲のような教育者が存在してほしいものだ、と切実に思いました。
鷹山公の銅像
……考えてみると、北欧への関心もきっかけは内村鑑三『後世への最大遺物・デンマルク国の話』(岩波文庫)でした。
いつの間にか内村鑑三から受けていた影響は大きいのだなあ、と思っています。
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