心の中のネガティヴな口癖を直すことを、「セルフ・トークの取替え」といいます。
どうすればセルフ・トークを取替えられるのか、前回の典型的な例からいくつか取り上げてやってみましょう。
まず、「私ってダメなヤツ(最低、最悪etc)」からいきます。
自分の中にこういうセルフ・トークがあることに気づいたら、「本当に私はダメなヤツなんだろうか?」と自問します。
「私はダメなヤツ」というのは、いいかえると「私=ダメなヤツ」ということですね。
もし本当に「私=ダメなヤツ」だとしたら、私にはいいところはゼロでなければなりません。
でも、「ダメなヤツ」といっていることの中には、自虐だけではなく反省の気持ちも一部含まれていたりしませんか? そこには真面目さも含まれていませんか?
それに、反省心や真面目さだけではなく、きっとほかにもたくさんのいいところがあるはずです。
そうすると、事実をより正確に表現すると、「私にはダメなところもあるけれども、反省できるような心や真面目さといういいところもある」ということになるはずですね。
「私にはダメなところがある」という事実を「私=ダメなヤツ」と思ってしまうのを「誇大視」といいます。
ここで「十円玉のワーク」を思い出してください。
それは、マイナスの十円玉を目にくっつけて、視界が十円玉でいっぱいになっているだけなのに、世界が十円玉でいっぱいだと錯覚しているのではありませんか?
マイナスの十円玉を遠ざければ、十円玉は視界の一部、そしてさらに世界のもっと小さな一部にすぎません。
そして、大事なことは、自分の悪いところといいところと、どちらに心を集中するのが元気になれるだろう? ということです。
元気なのと元気がないのと、どちらが自己改善の意欲が出てくるでしょう?
意欲があるのとないのとどちらが実際に改善できるでしょう?
もう、いうまでもありませんね。
ではまず、「確かに私にはダメなところもあるかもしれないけれど、私には反省心や真面目さや……いろいろいいところもある」といいかえてみましょう。
心の目の180度回転のワークです。
さらに、「確かに」や「私にはダメなところもあるかもしれないけれど」をとって、「私には反省心や真面目さや……いろいろいいところがある」といいかえてみましょう。
心が少し元気になってきませんか?
これは見る方向を変えて見るものを変えているわけです。
嫌でなかったら、自分の中の元気がなくなる面ではなく、元気が出てくるような面を見ませんか?
そして、心の元気が回復してきたら、「でも、ダメなところもあるから、改善しよう! 私ならきっとできる!」と自分に言い聞かせてください。
自己改善意欲、向上心のあるあなたなら、きっと自己改善・向上ができます!
ちょっとおまけで、「最低」と「最悪」も取り上げておきましょう。
「私って最低!」とセルフ・トークをする癖のある方、よかったら一緒に考えてみてください。
「最低」とか「最悪」というのは、厳密にいうと「世界一悪い」という意味ですね。
でも、ほんとうに、あなたは「世界一悪い」人なのですか?
そんなこと、ありえませんよね?
ヒトラーやアル・カポネよりひどい人なんて、そこらへんにはなかなかいませんからね。
それよりなにより、そういうひどい、世界一悪い人がこんな自己改善のためのブログを読むなんてことはありえない……でしょうから、読んでいるあなたは「世界一悪い」はずがない、「最低」「最悪」ではありえません。
世界の人口は今63億人あまりだったと思いますが、あなたは「最低」つまり上から数えて63億番目なのですか? 悪いほうのランキングでは63億人中の1番なのですか?
もちろん、そうではありませんね? あなたの上にも下にもかなりの数の人がいるはずです。
ならば、「誇大視」して誇張された表現を使って、自己虐待するのはやめましょう。
まず、「私には、あまりレベルが高いとはいえないところがある」と言い換えましょう。
続いて、「でも、少しはいいところもある」と。
さらに、「私には、いいところもある」と。
そして、「私には、いいところがある!」と。
前にもいいましたが、能力や長所は認めると伸びる、という法則があります。
ダメなところに目を向け注目して落ち込むのより、いいところに目を向け注目して元気になって、もっといいところを伸ばすほうが、誰にとってもはるかにいい選択だと思いませんか?
もし気に入ったら、「私はまだまだだけど、でもいいところもある。それを伸ばすこともできる。よっし、もっと向上しよう!」というセルフ・トークをやってみてください。
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