永平寺に行ってきました。
永平寺で、道元禅師の思想のエッセンスは「一顆明珠」だと言わせていただきました。
これは、私にとっては画期的に名誉なことです。
そして、90人ほどの、その90%くらいは若い、保育園・幼稚園の先生に、以下のような投影画像を見ていただきながら、以下のレジュメのようなコスモロジー教育の話をさせていただきました。
朝3時から起きて研修を受けているみなさんの中には最初は眠そうにしている方もいましたが、ワークになるとすっかり元気になって、楽しんでくださったようです。
きっと彼女たちは、たくさんの曹洞宗のお寺の付属幼稚園・保育園で、子どもたちに「つながりの心」を伝えてくださるでしょう。
そうしたら、コスモロジー教育が、子どもたちにいのちの意味を伝える上で、大学から幼稚園・保育園までの年齢層すべてに有効であることも実証されることでしょう。
二重に楽しみです。
「つながりの心を育む」 要旨
2006/07/26 於 福井県・大本山永平寺
曹洞宗保育連合会・第53回保育研修大会
サングラハ教育・心理研究所主幹 岡野守也
コスモロジー教育は仏教教育の現代版
コスモロジー教育=コスモス・宇宙とのつながりを伝え、実感させることによって子どもを元気にする教育。
現代科学と仏教の教えはとてもよく一致している。
20世紀初め、ハッブルという天文学者が銀河同士が遠ざかっていることを発見→宇宙が拡大している→時間を遡ると宇宙は今より小さかった→今から137億年前、宇宙は限りなく小さかった(10の-34乗cm)。小さすぎて物質の大きさではなくエネルギーだった。エネルギーのいちばん典型的なかたちが光。
→1947年、ガモフという科学者が宇宙は限りなく小さいエネルギーの玉が大爆発的に広がって百数十億年たったら今の大きさ・すがたになったという説「ビッグバン仮説」を唱えた。
最初一つだったものは、どんなに拡大しても今でも一つ。エネルギーとしては宇宙のすべてが一体である。
道元禅師の教えの中心も、「尽十方界一顆明珠(じんじっぽうかいいっかみょうしゅ)」つまり宇宙のすべてのものは「つながって一つ」ということ。
お釈迦さまの教えの中心も「縁起」つまり「つながり」ということ、さらにすべてがつながりあっていて結局は一つということ=「一如」。
切れる子どもたち
相手との肯定的なつながり感が切れている。
今自分がこうしたら後でどうなるかという時間的なつながり感も切れている。
今の、自分だけの感情で動いている。
リストカット(手首を切る)をする若者
自分のことを心配してくれているまわりの人とのつながり感が切れている=孤独感。
自分の未来への希望を見失っている=肯定的なつながり感が切れている。
つながりを見失うと心の病、再発見すると健康に
現代の心の病のほとんどが、〔肯定的な〕つながりを見失っているという原因で、他者か自分かどちらかを否定するという結果になっているものと見ることができる。
つながりを再発見すると、自分も他者も肯定できるようになり、元気になる。
心理的に健康ないい人生の基礎として、つながりの大切さと楽しさを伝えていただきたい。それは、心の健康教育であり、切れたり、自殺したりする子どもを生み出さないための予防教育でもある。
コスモロジー教育は幼児にも適用できる
1)他者との肯定的なつながり感-一体感
○スキンシップの遊び
○自分のいいところさがし、ともだちのいいところさがし→さがしたいいところを認めあう=ほめあう
2)自然との肯定的なつながり感-一体感
○空気とのつながりを感じるワーク
○水とのつながりを感じるワーク
○食べ物になってくれる動物や植物とのつながりを感じるワーク
○大地とのつながりを感じるワーク
○太陽とのつながりを感じるワーク
*これらは、まだまだ工夫中ですし、もっともっとたくさんの方法が工夫できると思います。おそらくこれまで幼児教育でやってきたことの多くが、「つながり・一体性の実感」というところに特に焦点を当てていけば、そのままコスモロジー教育=現代の仏教教育になると予想・期待されます。ご一緒に工夫していけると幸いです。
参考図書:岡野守也『生きる自信の心理学――コスモス・セラピー入門』(PHP新書)
〃 『道元のコスモロジー』(大法輪閣)
参考ブログ:「伝えたい!いのちの意味――岡野の公開授業」(http://blog.goo.ne.jp/smgrh1992/)
特に2005年10月5日以降の記事。
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