* 今年になって4本目の掛け軸が完成した !
3本目は確か5月のはじめに このブログにアップした。
あれから2ヶ月が経っての4本目である。
掛け軸を沢山作る事が目的ではないが やはり数多く作る事で
スキルアップに繋がり、作品のクオリティーも向上するでしょう。
軸の絵は数年前に水墨画の展示会に出展した画が残っていた
ものを今回も利用して作っている。
2ヶ月間 少しづつ作業を進め、工程を踏んでの制作です。
1. 本紙(絵)の上下に一文字と言う金蘭の裂地を貼る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/79/9a42b8337158152f5220b6ecf1be6541.jpg)
一文字の上部と下部の寸法幅は、2 : 1 の幅が基本です。
2. 一文字を貼り付けた絵の周りに中廻しの裂地を貼り付ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/3a/231d3f0622f2a2b2bb66b6cef19e3492.jpg)
今回は黒い裂地を中廻しとして使用しました。
以前に作った裂地の残りを 又使用しています。
一文字と中廻しの上と下の寸法幅は 2 : 1 が基本です。
3. 中廻しを貼った絵の上下に天 と 地の裂地を張ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/5f/36ce0613636e527001972a7329c634f1.jpg)
天と地の寸法は 2:1 のサイズが基本です。
ここで 軸の大きさが決まります。
尚、中廻しと天地の裂地の色合いなどが軸のポイントにもなります。
4. 軸の形が出来たら裏に総裏張りの和紙を貼ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/5f/af4fe6706a62622898393c9ea62430ec.jpg)
和紙を軸裏に糊で貼る作業は、
襖板にピーンと貼り付けて充分(一週間以上)乾かします。
この写真は乾かして襖板から剥がした状態です。
5.総裏張りが終った軸の上部に八双棒と下部に軸棒を巻き付けます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/1a/c358bae178e6db26eecebbb794dcd60b.jpg)
軸棒の両側には色合いを考えた軸先カバーを取り付けます。
6.軸上部の八双部に2本の風帯を取り付けます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/7e/c16a987f7a1e64d356eac62a8e2afec5.jpg)
風帯は一文字と同じ裂地で作るのが基本です。
風帯 の寸法は 軸幅の4% が基本です。
幅2Cm 前後の風帯を等間隔で2本吊します。
★風帯にも2、3のタイプがありますが、この吊るし風帯を
着けたのは 初めてでした。
7.最後に八双部に金具(環)を打ち込み 紐を付ければ完成です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/b3/6b8aad0ce270304d8b702bda1cf6cd28.jpg)
紐の長さは軸の大きさよって違いますが、
この様な一般の軸では80Cmほどの長さが基本です。
8.この軸は大和表具(日本案式)の一般的な三段表装と言われるタイプです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/e7/2d71ef9715ebbe22fad1b9e54539652c.jpg)
完成するとこの状態です。 サイズ W 52 x H 118 Cm でした。
軸が大きくなるにつれて制作が難しくなり、まだまだ
納得できる作品は出来ません。
しかし今回の作品は未だ納得は出来ませんが裂地の裏打ち作業や
総裏張りなどは良く出来たかな・・と一人思う状態でした。
作製に当たり基本の寸法値などについて いくつか記しましたが
やはり基本の数値で作ると全体のバランスが良い軸となります。
今回は意図的に変えたサイズや間違えた寸法(ミリ単位)での制作が
2、3ヶ所ありましたが・・ 何とか形 良く出来ました。
現在 完成品は我が家の壁に この様に飾っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/8d/b9bf0a5eb4562f1d030912183600d445.jpg)
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