亡き父からのメッセージ

人生における生と死は人を変容させる大きな力を持つ
人の生死に立ち会った時、人は自分の人生の本質をもう一度見直さねばならなくなる
それは生死には生命という力が働くからだ

今回私は父の死を目撃した後の彼女について書かねばならない必要を感じていた

私は彼女のことをある女性Mさんから聞かされた
それは仲良くしていた友人Oさんで、そのOさんの父が亡くなった後、彼女の状態がおかしくなってしまったというものだった
OさんはよくM さんを通じて私にセッションを依頼してきていた

突然、Oさんがおかしくなった
亡き父の家の柿の木を今すぐ自分の家に持ってこなければいけないと言い出したり
３人の子供を抱えているのに、何もできずにボーッと空を眺める時間が続き
旦那が帰ってきても、それは変わらなかった
旦那は精神病院に連れて行ったが、彼女は泣いてばかりで、診察にならず
精神安定剤と睡眠薬を処方され、帰ってきたというのだ

家族でのお願いで、何かに憑依されているのではないか？
絶対におかしいから見てほしいと頼まれた
当の本人の彼女も同意だった

私はこの事件が本当に憑依なのか・・・何が彼女に起きたのかを見ることになっていった

彼女は実家に行くことは滅多になかったのに、その日はなぜか行かねばならない気がして実家に行った
実家では父が一人で生活をしていた

彼女が家のドアを開けると父親は死んでいた
匂いは嗅いでいられない程だった
肉体は腐っていた
死後１０日と推定され変死とみなされた

それ以後、彼女はおかしくなっていった

私が彼女をリーディングし始めると、父親である彼がでてきた
そして彼は光を放ちこう言った

「人は必ず死ぬのだ。娘を第一発見者にしたのは私だ
娘を助けたかったからだ
今、ここであの子が意識を変えなかったら、あの子は自分と同じように死ぬだろう
見て見ないふりをして、人の目を気にしていいなりになり、人生を見ようとしないのだ
私は長いこと精神病を患ってきた
お酒を飲めば怒り、暴力を振るい、自分の人生を真っ向から見ようとしなかった
あの子の人生はこれから大変な人生になる
自分の変死の姿を見せることは、あの子の人生を揺るがすことになることは知っている
でもそれが必要なのだ
人は死ぬのだ
だから生きているということを充分に生きなくてはならない
後悔を残さないためにも、自分という命を輝かすのだ
その光を私は発したのだ」

彼は眩い光を放っていた
これが自分の最後の仕事・・・メッセージなのだ・・・と

私は彼女の人生を見てみた
人のいいなりになり、心と体が全然違う人生を生きていた
偽善、嘘、詐欺・・・
愛に飢えて彷徨っていた

私は周りの家族に率直に告げた
そして、彼女は今、自分の殻を破こうと必死で自分の人生と取り組む時期が来たことを話した
まだまだ、時間がかかるだろう
ゆっくりとじっくりと彼女のハートを開いていかねばならない

彼女のカルマは旦那さんともあった
旦那さんは過去生での敵だ
このカルマの解消も同時に行われていくことを私は知っていた

旦那さんは彼女を精神病院に入院させるつもりらしい

彼女に今必要なのは、自分の心に正直になることと愛だ

真実の愛が彼女を変える

旦那さんの課題にもなるであろうことも告げた

私は静かに目を閉じ・・彼女の魂が空で踊っているのを眺めていた
彼女はこの地上でそれを成し遂げるために今自分を見つめている

彼女が笑う姿を見たい
今までの作り笑いではなく、真の微笑を私は知っていた
そしてそれをそっと静かに見守ろうと思っていた

すぐ何とかしてあげられないことは私にはストレスだった
苦しみを見守ることは容易なことではない

でもその苦しみはけして彼女を落とさないことを私は知っていた

彼女を見ながら父親が微笑んでいる姿が見えた
それは言うに尽くせない愛だった

私は空を見ていた
静かに降りてくる光に私は包まれていった