私の元に訪れた彼女は、初対面の私を見るなり泣き出した
私は、彼女が何年も愛した人のことを話すのを知っていた
彼女は70歳
美しい目と手をしている
私は彼女の美しい魂を知っていた
彼女は奥さんのある人と何十年も一緒に暮らしていた
彼の奥さんも、そのことを知っているのだ
彼女は気丈で、そして正直で・・・凛とした美しさを放っていた
彼女は自分を貫いた人生だった
そのため、親戚には見放され、トラブルを起こしかねない彼女を
受け入れることはなかった
彼女は生涯でたった一人の人を愛し、自らの生涯を捧げた
彼女は動けない彼の為に仕事をし、彼の世話をしてきた
自分の選んだ道を、投げ出すことはしなかった
彼は彼女を愛し、離婚を願い出たが、奥さんは頷かなかった
奥さんは彼の裏切りを、許さなかった
彼はやがて仕事場で事故があり動けない体になってしまった
奥さんは働かない人で彼を責めた
彼は奥さんに誠意を尽くすため、奥さんの自由意志を尊重して離婚しなかった
ところが仕事がなくなり、生活ができなくなった
奥さんに生活費を渡すために、色々あたったがダメだったが
たった一人、彼女だけは心よく引き受けて、お金を工面してくれた
そんな日々の中で、彼はいつの間に家に帰らなくなり、彼女と共に生活をするようになった
彼女は奥さんに渡す生活費を稼いで、彼に渡していた
彼女は彼を奪わなかった
彼が帰らなかったのだ
奥さんとは暗黙の了解になっていった
その彼女が私の前で泣き始めた
そしてこう言った
「私は長い間彼を見てきて、彼がもう長くないことが分かるんです。そしたら、彼が死んだ時にお墓をどうしたいのか、話しがしたい・・・
でも、もう彼は話しができない状態になってしまったんです。
彼が何を考えているか透視していただけないでしょうか?」
彼女は本当に彼を愛していた
そしてもうすぐ一人ぼっちになってしまうことを知りながら、
彼女は最期まで、彼の意見を尊重したいというのだ
私は切ない気持ちを抑えながら、セッションに入っていった
彼は、お墓は自由にしてくれと言っていた
奥さんの元に戻してもいいし、彼女と一緒の墓に入ってっもいい
彼にとってお墓のことはどうでもよかったのだ
彼にとって重要なのは、彼女にお礼が言えないこと
そして彼女とお別れをしてしまうのではないかという切なさが伝わってきた
私はそれらを彼女に伝えた・・・
その後は言葉にならなかった
私と彼女の間には言葉がいらなかった
ただ・・・この人生という時を生きたことへの満足感と
今、存在するという感謝の気持ちだけが・・・彼女から伝わってきた
私は彼女と共に・・・空を飛び、彼の元を訪れた
彼と彼女はすぐに手を繋ぎ、この世界を自由に飛び回り始めた
2人は前世からの兄妹だった
この人生でお互いを見つけ、お互いが人生を自由に歩けるようにサポートしたのだ
結果は不倫という形になったけれど・・・・
この世界には色々な出会いがある
彼女は顔は、いつのまにか微笑みに変わっていた
それはなんとも言えない美しさだった
女神のような彼女と共に呼吸をして・・・私は彼女という神からの贈り物に手を合わせていた
殆どの関係は、自分を認めてほしいという関係で、相手を責めたり、相手のせいにする
現在の夫婦の多くは、仕方なく一緒にいるというケースが多いのを聞く
だから時々・・・真に相手を思う気持ちに触れると
優しい気持ちにさせてくれる
雨は上がり、夕陽が全部を染め始めていた
蝉の声を聞き漏らさないように・・・私は静かに目を閉じていた
私は、彼女が何年も愛した人のことを話すのを知っていた
彼女は70歳
美しい目と手をしている
私は彼女の美しい魂を知っていた
彼女は奥さんのある人と何十年も一緒に暮らしていた
彼の奥さんも、そのことを知っているのだ
彼女は気丈で、そして正直で・・・凛とした美しさを放っていた
彼女は自分を貫いた人生だった
そのため、親戚には見放され、トラブルを起こしかねない彼女を
受け入れることはなかった
彼女は生涯でたった一人の人を愛し、自らの生涯を捧げた
彼女は動けない彼の為に仕事をし、彼の世話をしてきた
自分の選んだ道を、投げ出すことはしなかった
彼は彼女を愛し、離婚を願い出たが、奥さんは頷かなかった
奥さんは彼の裏切りを、許さなかった
彼はやがて仕事場で事故があり動けない体になってしまった
奥さんは働かない人で彼を責めた
彼は奥さんに誠意を尽くすため、奥さんの自由意志を尊重して離婚しなかった
ところが仕事がなくなり、生活ができなくなった
奥さんに生活費を渡すために、色々あたったがダメだったが
たった一人、彼女だけは心よく引き受けて、お金を工面してくれた
そんな日々の中で、彼はいつの間に家に帰らなくなり、彼女と共に生活をするようになった
彼女は奥さんに渡す生活費を稼いで、彼に渡していた
彼女は彼を奪わなかった
彼が帰らなかったのだ
奥さんとは暗黙の了解になっていった
その彼女が私の前で泣き始めた
そしてこう言った
「私は長い間彼を見てきて、彼がもう長くないことが分かるんです。そしたら、彼が死んだ時にお墓をどうしたいのか、話しがしたい・・・
でも、もう彼は話しができない状態になってしまったんです。
彼が何を考えているか透視していただけないでしょうか?」
彼女は本当に彼を愛していた
そしてもうすぐ一人ぼっちになってしまうことを知りながら、
彼女は最期まで、彼の意見を尊重したいというのだ
私は切ない気持ちを抑えながら、セッションに入っていった
彼は、お墓は自由にしてくれと言っていた
奥さんの元に戻してもいいし、彼女と一緒の墓に入ってっもいい
彼にとってお墓のことはどうでもよかったのだ
彼にとって重要なのは、彼女にお礼が言えないこと
そして彼女とお別れをしてしまうのではないかという切なさが伝わってきた
私はそれらを彼女に伝えた・・・
その後は言葉にならなかった
私と彼女の間には言葉がいらなかった
ただ・・・この人生という時を生きたことへの満足感と
今、存在するという感謝の気持ちだけが・・・彼女から伝わってきた
私は彼女と共に・・・空を飛び、彼の元を訪れた
彼と彼女はすぐに手を繋ぎ、この世界を自由に飛び回り始めた
2人は前世からの兄妹だった
この人生でお互いを見つけ、お互いが人生を自由に歩けるようにサポートしたのだ
結果は不倫という形になったけれど・・・・
この世界には色々な出会いがある
彼女は顔は、いつのまにか微笑みに変わっていた
それはなんとも言えない美しさだった
女神のような彼女と共に呼吸をして・・・私は彼女という神からの贈り物に手を合わせていた
殆どの関係は、自分を認めてほしいという関係で、相手を責めたり、相手のせいにする
現在の夫婦の多くは、仕方なく一緒にいるというケースが多いのを聞く
だから時々・・・真に相手を思う気持ちに触れると
優しい気持ちにさせてくれる
雨は上がり、夕陽が全部を染め始めていた
蝉の声を聞き漏らさないように・・・私は静かに目を閉じていた