どんより曇った昨日、マンチェスターに夫のパジャマを買いに行きました。
夫のパジャマは言い訳で、久しぶりに2人でマンチェスターに行ってみたかっただけです。
いくつもあるメインのショッピングエリアのすべての木が中国風の赤いランタンで飾られていました。
2月10日の、英国では「チャイニーズ・ニューイヤー Chinese New Year 」と呼ばれる、中華系の祝祭日「旧正月」のお祝いです。
ロンドン、リバプール、バーミンガムに次いで英国内で4番目に大きい中華系コミュニティ(チャイナタウン Chinatown)を有するマンチェスターではおなじみの光景です。チャイナタウンは観光資源ですし、多様な文化は英国の大都市の誇りでもあります。
マンチェスターの正面玄関、マンチェスター・ピカディリー駅からメインのショッピングエリアとバスターミナルのあるピカディリー・ガーデンズ Piccadilly Gardens に向かう一本道の途中に...
私が知る限りかれこれ30年以上もむき出しになっている19世紀(...マンチェスターが開発されたのは産業革命時の18世紀ですからあんがいもっと古いのかも...) の石だたみの部分があります。
史蹟か何かのつもりでわざわざ残してあるのかもしれません。馬車の轍(わだち)の後が2条へこんで中央がもっこり盛り上がっています。両側は平らにならしてコンクリート舗装されています。
ピカディリー・ガーデンズ(写真奥)から出ている道の交通信号3本...
...のうちの1本がくっきりと45度の角度に傾いて、それでも機能していました。
いちおう注意を促すトラフィックコーン4本で囲われて非常事態を訴えていましたが...野放しです。
もちろん夫をそばに立たせて写真を撮りました。写真を撮っていたのは私だけではありません。もしかしたらアトラクションか何かのつもりでしょうか。いえ、絶対に違う。
ピカディリー・ガーデンズからよく見える、スカッフォルディング・カバー scaffolding cover(建築現場の足場の覆い)です。
ちょっと待って...!
この建物のこっち側の外壁工事は確実にパンデミック前に始まって、絶対に5年は経つはずです。まだ終わっていないなんてウソみたいです。
足場を支える黄X黒のシマシマ鉄パイプが林立する足場の下の歩道は歩きにくそうだし一階の店舗の営業にも差しさわりがあるはずです。上階の窓も覆いで覆われちゃってるし...このままでいいんでしょうか。今まで見過ごしていた疑問です。
巨大な広告看板として永久保存して、けっこうな利益をあげていたりして...?
1ブロック先には...
別のスカッフォルディングカバーがあります。上の写真は昨日撮りました。刊行したばかりのストックポート日報 でも、10年前に取り上げたことがあります。
10年前に「背景のレンガ壁にマッチした景観を損なわない工夫が素晴らしいでしょう?」というようなことを書いたのですが、そう、もう10年!これ、「仮の足場覆い」ではありませんよね。
何十年も前に部分的に取り壊された大きな古い建物の切り口を隠す覆いです。時々、旅行会社の広告に差し替えらます。もしかしたら夏限定でしょうか、夏の海の写真がドカンとプリントされていたり、またレンガ塀の写真に戻ったりします。
ここももしかしたら、取り壊された手前側の空き地に新築の増築をするのはお金がかかりすぎるとかで広告スペースとして確保しておいて、ちょこちょこ利益を上げている...とかでしょうか?
由緒ある古い建物の所有者が何人もいるのは珍しいことではないようです。維持管理がめんどうになって自分が所有するこっち側だけ取り壊す...なんてことはよくあるみたいです。
これもまたピカディリー・ガーデンズそばの(あ、ボコボコ石だたみ露出スポットのすぐ横です)、取り壊し部分むき出しの建物です。
通るたびに気になっている、無機質な絵になる空間です。
たぶん...10年はこの状態が続いているはずです。右側には20世紀初頭の、(ものすごく大きなローマ数字で建築年代が刻まれています。何年だったかよく憶えていません)角に入り口のあるギリシャ建築風のゴテゴテした装飾のある古い建物が半分残っています。左右対称になっていたような遠い記憶がありますが...惜しいことです。
空き地に何か建てるのか、それがずいぶん先のことなら切り口の壁面を広告スペースとして貸し出すかあるいは自治体が介入してミューラル(壁画)で覆うとか何か利用法がありそうなものですが。
マンチェスター、続きます。
偉大だったから
変化するのの
時間が かかるのでは
日本は 戦争に負けたから
変化 するのが
良い事に 成ったのでは
と 思います