御座候 謹言
蛭子講之文
以手紙啓上仕候冷気
相募候得共弥御清栄
奉珍喜候然者明廿日
如佳例蛭子講仕候勿論
別家之者共少々打交
内祝ニ而祭候間為差風
御座候謹言
蛭子講之文 手紙を以て啓上仕り候冷気 相募り候えども弥(いよいよ)御清栄 珍喜奉り候然れば廿日 佳例の如く蛭子講仕候勿論 別家の者共少々打ち交じり 内祝いにて祭り候間為差(さしたる)風
※ 蛭子講とは・・神無月(旧暦10月)に出雲に赴かない「留守神」とされたえびす神(夷、戎、胡、蛭子、恵比須、恵比寿、恵美須)ないしかまど神を祀り、1年の無事を感謝し、五穀豊穣、大漁、あるいは商売繁盛を祈願する。地方や社寺によっては、旧暦の10月20日であったり、秋と春(1月20日)の2回開催したり、十日えびすとして1月10日や1月15日とその前後などに行うこともある。えびす祭やえべっさんとも言われる。えびすを主祭神とするえびす神社のみならず、摂末社として祀っている社寺でもおこなわれる。(ウイキ情報)
情も無御座候得共御光
来被下候ハゞ本懐之至ニ
御座候 謹言
同返状
御紙面忝拝見仕候如善諭
寒冷相増候所弥御安静
被成御座珍重ニ奉存候然
者明日者御嘉例之通蛭
情も御座無く候えども御光 来下され候ハゞ本懐の至りに 御座候 謹言
同返状 御紙面忝く拝見仕候善諭の如く 寒冷相増し候所弥(いよいよ)御安静 御座なられ珍重に存じ奉り候然れば明日は御嘉例の通り蛭
子祭被成御祝候ニ付下拙
迄御招被下御懇志忝奉
存候且御指合も無之与奉
察候間兼々御存之三
笑亭可楽朝寝房呑海
右両人相頼候而如例落
咄為致候半と奉存候御一
座之御一興ニも相成候ハゞ
子祭り御祝い成られ候に付下拙 迄御招き下され御懇志忝く 存じ奉り候且つ御指し合わせもこれ無くと 察 し候間兼がね御存じの三 笑亭可楽朝寝房呑海 右両人相頼み候て例の如く落とし 咄致し為し候はんと存じ奉り候御一 座の御一興にも相成候はば
※ 三笑亭可楽・・わたしが知っている可楽は八代目です。この人の「らくだ」は逸品。ここに出て来るのは江戸時代の可楽ですから、四代目か五代め可楽とおもわれます。
※ 朝寝房呑海・・可楽と同時代に朝寝房という噺家が居たことは可楽の項に出ているので分かるのですが、名跡が絶えたのでしょうか、検索にヒットしません。
千寿大悦仕候委細者
以参万々可申上候為
貴報如此ニ御座候 以上
袴着を賀す文
御愛子様御袴着之御祝
儀目出度奉存候誠以
段々之御成長被成而
御両親様御満悦勇々
千寿大悦仕り候委細は 参じ以て万々申し上げ候 貴報の為此如くに御座候 以上
袴着を賀す文 御愛子様御袴着之御祝 目出度存じ奉り候誠に以て 段々御成長成られて 御両親様御満悦勇々
※ 袴着・・幼児が初めて袴をつける儀式。古くは3歳、後世では5歳または7歳に行い、しだいに11月15日の七五三の祝いとして定着。着袴 (ちゃっこ) 。