昨日、阪神・淡路大震災から12年が経過しました。
その後、建築基準法が改正され、構造計算も新たな方法が採用されるようになり、耐震技術は格段に上がったように思えます。
木造では面耐力板の採用や金物の強化。
鉄筋コンクリート造では限界耐力計算等の採用です。
新潟県中越地震では、既存の木造住宅が意外ともったことで、基準法改正の効果が現れたとされています。
雪国の木造の場合は柱が4寸(12センチ)と決まっているので、他地域の3寸や3.5寸の柱に比べれば強いはずです。また、雪が積もるので変な施工をすればつぶれてしまうので屋根も頑丈にできているのです。
多雪地域では瓦屋根よりも鉄板屋根が多いので、屋根が軽いのも被害が少なかった要因のひとつ。
高度経済成長期にはいろいろな手抜きがあったのが、今回の改修で確認されました。
基礎にベースがなかったり、筋交いが入っていなかったりと、被害の大きな家では手抜きが見つかっています。
施工がちゃんとしていれば、被害が最小限に止められるのです。
伝統構法が耐震性に優れていたことも確認できたのも成果のひとつでした。
直下型の地震の場合、まず竪揺れのショックがきます。
プレートテクトニクスというのでしょうか?プレートとプレートの衝突面が破壊されて上下に地盤が隆起する。そのショックは想像を絶するものです。
旧山古志村や川口町のように、一瞬に家が崩れたり、山が動いたりするのです。
その後に、本震並みの横揺れの余震が何度もやってくるので、被害はどんどん大きくなっていく・・
現在の耐震技術では、一回目の横揺れには耐えて人命を守れるが、その後の余震は全く考えていません。竪揺れにも対策がなされていないのが現状です。
震源地に近い川口町では1回目の本震で急いで避難して助かった話もあります。
2回目の地震で家がぺちゃんこになったのです。
これは、家が少ない地方だからこそ言えることで、ビルが立ち並ぶ都市部では逆効果です。
耐震診断などをして、家や敷地内の何処が安全か確かめておき、地震の際には逃げ込んで、余震がある程度収まってから逃げ出すのことが考えられます。
都心部の地震の場合は、阪神・淡路大震災の教訓が一番役に立つでしょう。
12年も経過していますが、もう一度あのときの状況を検討することが、これから起るであろう関東、東海地震への備えでもあるのです。