今年は梅雨が長く、連日80%を越す湿度のため、木の乾燥がうまくいきません。
深沢町W邸でも同様で、6月はじめに上棟し、外部を塞いだ状態ですが、内部の構造材は乾燥が進まず、逆に、高湿度のために、水分が戻ってしまいました。
内部の渋が浮かび上がり、しみだらけになり、表面にカビが生えてしまいました。
梅雨という季節もありますが、外部の湿気対策を行うことにしました。
裏山は杉の木を伐採したので、草が伸び放題になっています。
草から蒸発する水分も考えられるので、これを下草刈りの要領で倒していきます。
お客さんがこれを見て、草刈機を使って手伝ってもらえました。
草を刈っていくと、昨年植えた記念樹のようなものも見つかりました。周りの草のほうが成長が早いため、草に隠れてしまっていたのです。
陰になると、木の成長は止められてしまいます。
植林してある程度木が育つまでは、こうした下草刈りを行わなければなしません。
昔は、よく、山へ行って、下草刈りをしたものです。
こうすることで、木の成長を促すとともに、通風も良くなり、土壌の保水力も上がり、活性化します。
保水力が上がれば、浸透して地下水になり、山の麓(ふもと)で水が湧き出るようになり、飲料水や農業用水に使えます。
里山を手入れすることで水源としての山林を持続してきたのです。
それにしても、最近は草木の伸びるのが早くなったような感じがします。
植物は光合成により水と二酸化炭素を酸素と糖分に変え、糖分は自分の体を形成していきます。
化石燃料の消費による二酸化炭素が増えたため、温暖化の問題が生じていますが、植物は植物でその成長を高めることによって、二酸化炭素を減らす仕事をしているのではないかという気もします。
草の一本一本が地球温暖化に対して働いているのに、人類は戦争だの、原子力だの世界経済だのと、全く温暖化に対して対策をたてようともしない。
草の命を絶ってまで家の湿気対策などとは人間のエゴもここまでくると非情極まりないような・・
それでも、森林を育てれば、草よりも多くの二酸化炭素を固定できるのです。
その木を使って、家を作れば、家自体が炭素のかたまりで、その分、二酸化炭素を減らすことができます。
木を育て、使うことは人類にとって最良の温暖化防止策になるのではないでしょうか?
そんなことを考えながら、草を刈り終わったら、からりとして風が通るようになりました。
まだまだ梅雨は開けませんが、少しずつ改善の方向に向かっています。