べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

育林と間伐材の利用

2009-09-30 23:53:34 | CO2を25%削減
木は成長とともに空気中の二酸化炭素を吸収していきます。(詳しくはこちら
山では植林し、育林をすることで、木を成長させていますが、その途中で成長が止まってしまうことがあります。さらに成長させるためには間伐や枝打ちなど、様々な工夫をする必要があります。


植林をします


植えた苗は、廻りの雑草や雑木に負けて成熟しません。苗だけを残して廻りの草を倒してやる作業を行います。これが「下草刈り」です。
また、斜面や雪の多い地方では、木が倒れたり、曲がったりしてしまうので、これを真っ直ぐに起こしてやるのが「雪起こし」です。
ある程度、一本立ちするまでに10年~20年くらいかかります。



木が成長します(20年~30年くらい)
林の下は暗くなり、土壌の栄養が減り、成長が止まります


それまで、廻りの草や雑木が土壌を肥やしていましたが、その雑木等の活動が弱まると、林の成長も止まります。
木が混みすぎたり、根元に光が入らずに雑木や雑草が生えないと、土が乾燥し、林が成長しないばかりか、大雨が降ると直ぐに河川に流れ出して土砂災害や河川の洪水を起こしやすくなります。



間伐作業を行います




枝打ち作業を行います


間伐と枝打ちを行うことで、根元に光が入るようになります。
また、混み過ぎた林を適度に間引くことで、成長するスペースを確保できます。



下層林が形成されます


根元に光が入って、下層に雑木や雑草が生えることで、土壌が活性化します。
活性化した土壌は保水力があり、地下水の補充とともに、林の根の水分補給にも使われます。



林が更に成長していきます


活性化した土壌の栄養を元に、林が成長していきます。
さらに、間伐・枝打ち作業を行えば木が成熟していき、大きな材料を取ることができます。


間伐の問題点




殆どの山で放置間伐が行われています


放置された間伐材は、単に腐って土に返るのを待つだけです。
微生物や昆虫、小動物によって分解されていき、空気中に二酸化炭素を放出していきます。数年間はそのままの原形で、日陰を作って下層林の生えるのを阻害したり、次の育林作業のときの障害物にもなります。



間伐材を利用しましょう


間伐材を山から出し、利用して分解、焼却するまでの時間を稼ぐことで、より長く炭素を固定することが出来ます。
また、間伐材を売ることで、間伐作業、枝打ち作業の経費をまかなうことができます。間伐材が売れなければ、経費は全て山主が負担しなければなりません。

間伐材は、樹齢30年くらいの若い木が主流です。
住宅の構造材としては、柱などの比較的荷重のかからない部材に用いるか、下地材等に使うことができます。
他にも、土木用の作業杭等にも用いています。
家具や木工製品に用途を広げることで、資源を有効に活用できます。

チップにして紙の原料や端材利用の工作にも使えます。
最終的には薪やペレットにすることで燃焼し、そのエネルギーで化石燃料の使用を減らすことも出来ます。バイオマス・エネルギー発電や乾燥施設の燃料にしている製材工場もあります。

計画的な植林、育林、伐採を繰り返し、利用すれば、炭素を固定しながら資源を半永久的に利用することが可能です。


雑木による土壌の活性化へ・・








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コメント (4)
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小さい20坪の家

2009-09-30 12:09:42 | 悠久町M邸 木組みの震災復興住宅
このブログもyahooやgoogleでの検索で、だいぶ上位にエントリーされる機会が多くなりました。
検索キーワードも色々なものが多く、皆さん勉強熱心で感心しております。
毎日、検索されるので多いのは、「長期優良住宅」です、(詳しくはこちらにて・・)
超長期優良住宅については情報を掲載していましたが、長期優良住宅については、まだ情報が少ないので、特集することにしましょう。

また、変わったところで、

「国産材を使用すると固定資産税評価額が高くなる」

というのがありましたが、これははじめて聞くところです。
例えば、長期優良住宅の場合は、税制面で優遇措置があります。
(長期優良住宅として登録する必要があります。)

固定資産税評価額は、固定資産税(市町村税)や不動産取得税(県税)を出すための評価基準ですが、部屋の内装や照明といった目に見える仕上げが調査対象になりますが、例えば、和室に桧の柱を使ったり、節の無い綺麗な柱を使ったりしていれば、評価額は上がると思います。
単に、県産材を使っていた場合は節だらけならば、逆に下がる要素かもしれません。
県によっては、地場の木材を使用することの優遇措置もあるかもしれません。



今回は、「小さい20坪の家」という検索キーワードがあったので、その解説をしたいと思います。

悠久町M邸は、既存住宅が新潟県中越地震により大規模半壊となり、その後の生活の場のとしての震災復興住宅として設計、施工しました。
当初は4間×4間の平屋の16坪で計画していたのですが、台所と水廻りがもう少し広くほしいというお客さんの要望で、20坪の大きさとなっています。
(和室6帖+居間8帖+DK10帖の間取りです)

二人暮らしとしては、十分の大きさで、中越地震の山古志での震災復興住宅も、この規模の高齢者用モデル住宅が建てられています。

それでも、写真のように、木組みでしっかりとした建物にしました。県産材率90%以上(土台は桧)で、県産スギ復興支援と安田瓦による補助金を使用しています。
小屋裏利用をしていて、ロフトが8帖くらい取れています。




外観


外装材:はスギ羽目板
屋根:安田瓦

詳しくは、こちらをご覧ください。




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