
平成25年省エネ基準では1~8地域になりました
平成25年省エネ基準の地域区分

細かい地域は市町村単位で決められています。
外皮平均熱貫流率UAの最大値が各地域区分によって定められています。
各地域区分の最大UA値(W/m2・K)
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
UAの最大値 | 0.45 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | - |
各地域でのUA値は上記の数値以下にする必要があります。
この省エネ基準をクリアすると、どのような住宅になるでしょうか?
区分5の地域に建てる100㎡(約30坪)程度の家を想定して、計算してみます。
外皮平均熱貫流率UAは次の式で求められているので、
UA=q/ΣA
UA:外皮平均熱貫流率 (W/m2・K)
q:外皮熱損失量(W/K)
ΣA:外皮等面積の合計(m2)
式を変形し、qを求める式にします。
q=UA×ΣA
外皮面積に区分毎に定められている最大UAをかけると、その住宅の外皮熱損失量qが求まります。
qとは外皮からエネルギーが逃げて行く量です。一定の温度を保つには、qと同じエネルギーを供給し続けなければなりません。これが冷房(暖房)能力に相当します。
qを求めれば、必要な冷房(暖房)能力を求める事ができるのです。
室温を一定に保つには・・
それでは、qを求めてみましょう。
まず、ΣAは外皮面積の合計です。
100㎡の規模だとだいたいこんな大きさです

外皮面積の合計は概ね260m2とします。
最大UAは前出の表で、区分5~7 ・・・最大UA=0.87(W/m2・K)
だったので、これに外皮面積をかけてやると、外皮熱損失量qが求まります。
外皮熱損失量qは・・

区分5~7のUAの基準値で断熱計画をすると、
100㎡の住宅だと、6帖用のエアコン1台でまかなえる計算になります。(外気と室内の温度差10℃とした場合)
外皮の各部分のうち広い面積を有する部位(屋根、外壁、床等)の熱貫流率U(W/m・K)は、この各区分ごとに定められたUAの基準値値以下に抑えておかないと全体の平均UA値をクリアするのが難しくなります。 例えば区分4の地域でのUAは0.75(W/m2・K)なので、外壁の熱貫流率Uは0.75(W/m・K)以下に設定すると、全体の外皮平均熱貫流率UAが基準値をクリアするのに楽になります。 ![]() 上図の場合、一般的な大壁でグラスウール(16K×100㎜を充填)を入れた壁のU値は0.73(W/m・K)で、区分4のUA値0.75(W/m2・K)をクリアするのは楽ですが、土塗り壁の場合のU値は2.43と、かなりオーバーしているので他の部位で補うか断熱補強するかのどちらかの方策を取らなければクリアが難しくなります。 |
一時エネルギー消費量の計算へ・・
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