雪国における建物の形状、配置計画で一番重要な要素は、「雪下ろし」を考えた屋根の形状、建物の配置計画です。これをおろそかにして設計をして、施工をしてしまうと、屋根雪処理に労力を費やし、維持費がかさむ欠点を背負います。
市街地に良くある住宅
市街地で良く見かける住宅の形状と配置です。大通り沿いに雁木があり、屋根が切り妻の昔ながらの形状です。
間口が狭く、奥行きの長い敷地いっぱいにウナギの寝床の建物を建てる様式ですが・・・この配置計画、屋根形状は雪下ろしに厄介な建物で、前面道路に雪の捨て場所が無い場合はトラックによる雪の運搬もしなければならず、費用が莫大にかかってしまいます。
これに似た新築の設計をした場合でも同じ事が起こるので、注意が必要です。
市街地の切妻屋根の雪下ろし風景
雪下ろしの様子へ・・
雪下ろし最盛期へ・・
市街地に建てる場合は片屋根に・・
屋根の傾斜を前面道路に向けた屋根形状にすると雪下ろしにかかる労力は少なくなります。
雪トイを傾斜側に並べて、奥の方から雪を滑らせるのが楽になります。
この形状は、長岡市に切妻屋根の建物が建て並ぶ前の時代の街並みの形状で、少し古いタイプの屋根形状です。村上などの町屋と同じで、昔は雪下ろしを主体としたのでしょう。
なぜ妻入りの形状になったかは、おそらく街並みの美しさと材料が少なくて済むという理由からだと思われます。
町屋風の構造を現代風にアレンジした春日町F邸
郊外の場合の屋根形状と配置計画
この形状と配置は一例ですが、雪下ろしを考えた計画だと、雪下ろしに費やす労力が少なくて済みます。
雪下ろしを考慮した配置計画の左近町N邸
こんな配置計画、屋根形状だと雪下ろしがしやすいです
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株式会社 藤川建設は・・・
長岡市で注文住宅を手掛けています
越後杉で家づくりをしています。
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