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省エネルギー住宅のまとめです
この記事の内容は
1.世界水準の「誘導基準」
2.世界各国の一次エネルギー消費量
【結論】断熱性能を上げて、各部屋で冷暖房を選択できるフレキな設計にしておく
です。
1.世界水準の「誘導基準」 |
前回、日本の省エネルギー住宅の政策指針の改正により、世界水準を目指していると書きました。
簡易ツールとして仕様基準ガイドブック「省エネ基準編」「誘導基準編」が用意され、これに沿った住宅を作れば、断熱等級4(省エネ基準),等級5(ZEH水準)の断熱水準が実現できるということになります。
等級5のZEH水準は世界水準と肩を並べる水準であることも分かりました。
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「仕様基準」を使わず、「詳細計算ルート」で計算すれば基準をリーズナブルにクリアできる事も書いてきました。
世界のトップレベルの水準である等級6、7も詳細計算ルートにて実現が可能になってくると思われます。
2.世界各国の一次エネルギー消費量 |
外皮性能で世界水準に達しても、一次エネルギー消費量が世界水準に満たなければ片手落ちです。
ここで、各国の一次エネルギー消費量を計算した資料があります。
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野村総合研究所 「各国における省エネ基準の動向」より
ドイツではセントラルヒーティングによる暖房・給湯が一般的ですが、効率の良い「ヒートポンプ式セントラル空調システム」を選択してるのはハンデです・・
日本の場合は通常の給湯器に白熱灯の照明・・ハンデがありすぎ・・
これらの条件で、一次エネルギー消費量を計算すると・・・
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野村総合研究所 「各国における省エネ基準の動向」より
何と!日本の通常の外皮性能で「部分間欠運転」をした方が「全館連続運転」するよりも一次エネルギー消費量が少ない!
ええ~?
どぅゆこと???
次の事が考えられます
①3、4地域ではFF暖房、5~7地域ではエアコン暖房のほうが効率が良い
②3,4地域では夏場にエアコンを使う時期が短い
③5~7地域では夏場にエアコンを使う時期は、連続運転にすれば効率が良くなる
④沖縄はエコすぎる!
しかも、日本では、断熱性能を上げてエアコンの全館連続運転をした方が一次エネルギー消費量が高くなるので、これではかえってCO2の排出量を多くしてしまう傾向になってしまいます。
要は、全館連続運転をしなければ、良いわけです。
断熱性能を上げて熱損失を抑えるのは効果があると思われます。
【結論】断熱性能を上げて、各部屋で冷暖房を選択できるフレキな設計にしておく
「誘導基準」で「住戸全体を冷暖房」と「居室のみを冷暖房」が選択できるのは、国交省が密かに「エコを選択」できるように用意しておいたに違いない!グッジョブ国交省!
いずれにせよ、日本と世界の動向を同時に見ながら省エネルギー住宅について考えていく必要があります。
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