新築物件にCLTを用いる場合もありますが、改装工事・・特に耐震補強にもCLTは有効です。
こういった建物を補強する場合を考えます
街中の建物で、間口が狭く梁間方向に壁が少ない場合、真横からの荷重に弱い傾向があります。
こういった建物を補強する場合、色々な補強方法が考えられます
1.筋違、パネルによる補強
耐震工事に頻繁に用いられる工法です。
補強したい場所に柱を立てて、その間に筋違いや合板等の耐震壁を設置します。
2.集成梁+方杖による補強
集成梁を梁間方向に両方の柱から「方杖」で補強する方法です。
頭の辺りに方杖が張り出してくるので、その辺りが難点です。
3.耐震フレームによる補強
集成部材を複合して門型にしたものを、梁間に設置する方法です。
2に比べると、内側にせり出す部分が少なくなっています。
4.CLTによる補強
桁行方向にCLT壁パネルを平行に立て、その間を「CLT差し鴨居パネル」で結び、その上にCLT床パネルを載せます。
3の方法よりも、内側に部材がせり出して来ないので、より有効な部屋利用が可能になってきます。
CLT差し鴨居
CLT差し鴨居の取り付け方法と構造的な解き方です。
CLT差し鴨居(さしがもい)
各部材の接合方法です
横荷重が加わると変形します
各部位に掛かる荷重
CLT差鴨居の両端下部の引っ張りボルトの破壊をしないように計算します。
1ユニット分に負担する横荷重を割出し、桁行方向に何か所か連続させて設置することで、内部空間のすっきりした車庫等への改装が可能になってきます。
車庫に改装する事も可能に・・
難点
強度的に有利なCLTですが、問題は重量です。
3層CLTでも、1m×1mで40kg。
床用パネルとして1m×2mで80kg。
壁用パネルの1m×3mだと120kg。
5層CLTでは更に重量が増します。
1m×1mで70kg。
床用パネルとして使う1m×2mで135kg。
壁用パネルの1m×3mだと200kgにもなります。
補強する場所へ搬入するだけでも一苦労といったところでしょう。細かいパーツに分けて繋ぎ合わせる工夫が必要でしょう。
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株式会社 藤川建設は・・・
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越後杉で家づくりをしています。
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