べんりや日記

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見附市 K邸 外観

2008-08-07 20:01:33 | 見附市 K邸(越後杉)
見附市K邸の外観が決まりがついてきました。

屋根は安田瓦。(85万円の県の補助を受けています)

外壁は、腰までが杉の羽目板(縦貼り)、腰上は3×10版窯業系サイディングの予定です。

この外観だけでも工夫が5箇所以上!さて、何処でしょう?


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中島H邸の柱磨き作業が深夜まで続くゆえ、更新の時間がありませんでした。
ようやく、正解(?)



①90センチ近くまで基礎の立ち上げを上げている。
ここは7・13水害で床上浸水した場所なので、基礎を上げています。
玄関まで階段を6段程昇ります。南面は階段から連続したベランダに続き、物干し場として利用。




②基礎換気口を四角に戻しています。
これは、地震等の不等沈下が起きた場合、ここにジャッキをかけて、土台を揚げるための爪掛け部を兼ねるもの。
中越地震の経験より、導き出しています。
基礎自体は、保険をかけても10年しか保証されません。
それ以降は、自力で直す必要がある。
上部の構造に自信があれば、ジャッキ上げして不等沈下分を解消できます。
・・といっても、この家の場合、基礎のバランスが良いので(適度な大きさと正方形に近い形)必要ないかもしれません。50~100年後くらいでしょうか?

③土台見切りが2重
これも、土台上げの時に使う工夫です。
21センチくらいの杉板が見切り鉄板の間に挟みこんである。
これを、土台上げの時に撤去し、土台のアンカーボルトを緩めて、(ボルト位置の耐力壁に穴を開けて緩める)ジャッキで土台を上げます。
1重だと外壁を解体しないと不可能ですが、あらかじめ土台より上まで露出できるようにすれば雨仕舞いを損なうことなく、作業ができます。
土台上げが終了したら、また板を貼ればよいだけ。

④霧除
サッシの上に配置することで、雨掛かりを減らす効果があります。また、サッシのパッキンが寿命で効かなくなっても、ある程度は雨の入るのを防止できます。

日除けとしての霧除けの効果もあります。

・・が、伝統構法の場合は、さらに外部に突き出た渡りあごや打ち出しホゾの保護の効果が得られます。
地震や、栓、クサビが痩せて緩んだとき、打ち直すのに霧除けの下の軒天ボードのみを撤去すれば、雨仕舞いを損なうことなく作業ができます。
これは、伝統構法だけでなく、一般の在来工法にも応用できます。
横架材を筋結するボルト、ナットが緩んだとき(地震で緩んだり、木が痩せて空いた場合)に霧除けの下端を解体して締め直せばよい。
そのためには、通常の既製品の霧除けではなく、ちゃんと造作で作ってやる必要がある。また、高さも窓の直ぐ上ではなく、2階台輪近辺に設置しておきます。

⑤幕板
今回の外壁は腰まで杉羽目板、腰上は3×10板の窯業系サイディングを張り分けますが、霧除けの高さで張り分けすれば施工費が少なく済むところですが、それだとバランスが悪い。
霧除けよりも、もう少し上に巻板を設けて、そこで腰と壁の外壁を貼り分けます。
そのために、霧除けはコーナー部まで連続させず、途中で切っています。
あくまでも、「霧除け」と見せて、外壁が続いているように見せています。
よって、4隅の打ち出しホゾは外壁から突き出しています。
その場合は、ホゾの上に小屋根を付けて雨から守ります。


⑥妻壁に換気口
小屋裏に溜まった熱気を出すための換気口が開けてあります。
これが無いと、小屋裏が蒸れてしまう。

他にもまだある・・
西面の窓を極力避けて、西日や吹雪を避けるとか・・
ベランダの下に開口を設けて、床下を物入れスペースに使うとか・・
外観だけでも色々な工夫があるのでした。


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