べんりや日記

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赤いお屋根の幼稚園 ~中島幼稚園・採光を考える

2010-01-29 16:44:26 | 日々雑感
中島幼稚園のHPができました
ここをご覧下さい


長岡市街地にある中島幼稚園が、新しく生まれ変わりました。
内覧会が、1月24日(日)の午前中に開催され、新しい園舎をお披露目。

中越地震により傷んだ木造園舎を鉄筋コンクリート造2階建にリニューアルし、安心・安全な明るい園舎になっています。

園歌にもある木造時代の「赤いお屋根」は屋上に突き出たとんがり屋根のみになってしまいましたが、その分、屋上には太陽光発電を取り入れているそうで、限られた敷地を有効使ったにエコな幼稚園として先進的な要素が詰まっています。

今回は、「採光」を中心に中島幼稚園で工夫された面をご紹介しましょう。


 三角屋敷の間取り

中島幼稚園の敷地は、南面に4m道路。北西面が信濃川の堤防があり、東側は住宅地となっています。
通常は、南面にグランドを取ってなるべく北側に建物を持っていって陽の光を十分に取り入れたいところですが、

    敷地が三角屋敷

という、難しい敷地になっています。北側の敷地が狭くなっている・・
また、グランドも堤防と一体にして、広く使っていた経緯もあり、今までと同様、南側の道路に寄せて、北面をグランドにしています。

 玄関~吹き抜け



玄関は正面道路に面しています。
間口を広く取り、極力明かりを取るために目一杯開口にしています。




玄関の上には、大きな窓が開いていますが、
吹き抜けにして、その明かりを一階に取り入れています。
左側の丸い窓は階段室の窓です(おっしゃれ~♪)




2階の吹き抜け部分。
廊下からはガラス越しで下が見えませんが、
園児の転落防止になっています。
2階の廊下の明かりを取り入れると同時に、
1階の玄関への明り取りも兼ねています。




丸窓の階段室です。
南側で明るい階段になります。
手摺がオシャレな形をしていますが、ユニバーサルデザインで、
背が高くても低くても使える工夫です。


 2階・・明るい教室



2階にある「わくわくルーム(?)」は
南側に大きな窓を設けた読書室。
明るく暖かい部屋で本を読んだり、紙芝居を聞いたり・・
年長から年少までの年齢に分け隔てなく集える部屋になりそうです。




2階の廊下は幅1.8mと広く取っています。
子供たちがかけっこをしてもいいくらいの広さです。
(廊下は走ってはいけません)


左側が南面で、吹き抜けや階段、読書室が並ぶ方向。
右側が北面で教室が並びます。
通常、南面に教室を持っていきたいところですが、敷地の関係上、道路に面して玄関、階段を配置しなければならないので、廊下を隔てての教室となります。
廊下に極力明かりを取り入れて、教室まで光を入れる工夫が必要です。




教室と廊下の間には窓を設けることで、
廊下の光を教室まで取り込みます。
窓越しに見える向こう側の吹き抜けや読書室の窓が見えます。




教室の北側も大きな窓です。
グランドや堤防に面しているので、障害物が無く、
陽の光は入らなくても、明かりは十分入ります。


北側に部屋を配置した場合、南からの陽の光は間接的にしか取り入れることができません。
日中使う部屋は、明るいほうが良いのでしょうが、太陽光を直接入れすぎると暑くなって、かえって勉強や作業がしずらくなります。
エアコンも完備していますが、かえって北面に持ってきて自然の風を十分に取り入れたほうが環境負荷が少ないでしょう。
採光と通風を同時に考えていくのが設計の基本で、幼稚園でも住宅でも考え方は同じです。

お年寄りが家の中で北側の部屋に入りたがるのは、長年の経験上、夏場の暑さから開放できる空間として北側を選ぶ理由なのだと思います。

そういった面では、敷地上の制約もあったのでしょうが、結果的に快適に過ごせる幼稚園になりそうです。

案内図




長岡ってこんな街







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