『致知 2月号』に平 光雄先生と菊池省三先生が登場しています。
2月号の一部を紹介します。
対談のお相手は、同じく30年以上にわたり小学校教師として
子供たちと向き合い、学級崩壊立て直し請負人の異名を取る
北九州市立小倉中央小学校教師の菊池省三さんです。
菊池 ところで平先生は独自の指導をされているそうですが、
どのように編み出されたのでしょうか。
平 きっかけは私が30代後半で、
初めて荒れたクラスを受け持ったことですね。
3年生のクラスだったのですが、殺伐としていて、
先生の話を聞かないという空気が完全にでき上がっていました。
ですから最初は「どうやったら、話を聞いてくれるかな」
というところから始まりました。
「たぶん、長話や面白くない話はダメだろうな」とか
「俺の話を聞け」という態度は逆効果だろうなと考えているうちに、
「とにかく大事なことだけを伝えよう」と、
言葉の節約ということを重要視したんですね。
菊池 言葉の節約、ですか。
平 しつこく語るのをやめて、短い言葉で大事なことだけを伝えたり、
絵を描いてイメージで伝えたりしようと。
その時、考えついたのが紙芝居でした。
菊池 具体的にはどのように子供たちに伝えるのでしょうか。
平 例えば「向上心」についてどう伝えるか。
まず多面体を描いて、「これが何か分かる?」と尋ねるんです。
「立体」とか「多面体」という答えが返ってきたら、
「これはあなたです」と話し始める。
「人間というのは誰もが多面体でできていて、
『よい面』も『悪い面』もあわせ持っているんですよ」と。
「だから去年まで叱られてばかりいた子は、
『悪い面』が出ていただけで、『よい面』を出せば
あっと言う間に変わることができるから大丈夫。
ただし、『よーし、今年こそは!』と決意しないと、
面はクルっと変わらないから、
自分の『よい面』を出そうと決意することが大事だよ」
というように話を進めるんです。
もともとエネルギーの強い子たちだったので、
変わる時も早かったですね。
親御さんからは「3日で変わった」と
言っていただけたこともありました。
菊池 すごい効果ですね。
平 この他にも「自信」だとか「勇気」「配慮」「根気」など
いろいろなテーマがあって、先般致知出版社から出していただいた
『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』には、
子供たちの心に届いたものだけを収めてあるんですが、
今日に至るまでには失敗したものもたくさんありました。
でも、こちらの意図していることが通じない時に、
相手方である子供たちのせいではなくて、
伝える側である私のせいだと思うようにしてきました。
うまくいかない場合には、これは自分の幅を広げるチャンスだと。
正直に言えば、そう思いにくい時もありましたが、
無理にでも自分のせいだと思うようにしてきました
また、私がいつも言っているキーワードに
「『変さ値』の高い集団」というのがあります・・・
* *
※この続きは『致知』2015年2月号 P20~P28をご一読ください。
2月号の一部を紹介します。
対談のお相手は、同じく30年以上にわたり小学校教師として
子供たちと向き合い、学級崩壊立て直し請負人の異名を取る
北九州市立小倉中央小学校教師の菊池省三さんです。
菊池 ところで平先生は独自の指導をされているそうですが、
どのように編み出されたのでしょうか。
平 きっかけは私が30代後半で、
初めて荒れたクラスを受け持ったことですね。
3年生のクラスだったのですが、殺伐としていて、
先生の話を聞かないという空気が完全にでき上がっていました。
ですから最初は「どうやったら、話を聞いてくれるかな」
というところから始まりました。
「たぶん、長話や面白くない話はダメだろうな」とか
「俺の話を聞け」という態度は逆効果だろうなと考えているうちに、
「とにかく大事なことだけを伝えよう」と、
言葉の節約ということを重要視したんですね。
菊池 言葉の節約、ですか。
平 しつこく語るのをやめて、短い言葉で大事なことだけを伝えたり、
絵を描いてイメージで伝えたりしようと。
その時、考えついたのが紙芝居でした。
菊池 具体的にはどのように子供たちに伝えるのでしょうか。
平 例えば「向上心」についてどう伝えるか。
まず多面体を描いて、「これが何か分かる?」と尋ねるんです。
「立体」とか「多面体」という答えが返ってきたら、
「これはあなたです」と話し始める。
「人間というのは誰もが多面体でできていて、
『よい面』も『悪い面』もあわせ持っているんですよ」と。
「だから去年まで叱られてばかりいた子は、
『悪い面』が出ていただけで、『よい面』を出せば
あっと言う間に変わることができるから大丈夫。
ただし、『よーし、今年こそは!』と決意しないと、
面はクルっと変わらないから、
自分の『よい面』を出そうと決意することが大事だよ」
というように話を進めるんです。
もともとエネルギーの強い子たちだったので、
変わる時も早かったですね。
親御さんからは「3日で変わった」と
言っていただけたこともありました。
菊池 すごい効果ですね。
平 この他にも「自信」だとか「勇気」「配慮」「根気」など
いろいろなテーマがあって、先般致知出版社から出していただいた
『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』には、
子供たちの心に届いたものだけを収めてあるんですが、
今日に至るまでには失敗したものもたくさんありました。
でも、こちらの意図していることが通じない時に、
相手方である子供たちのせいではなくて、
伝える側である私のせいだと思うようにしてきました。
うまくいかない場合には、これは自分の幅を広げるチャンスだと。
正直に言えば、そう思いにくい時もありましたが、
無理にでも自分のせいだと思うようにしてきました
また、私がいつも言っているキーワードに
「『変さ値』の高い集団」というのがあります・・・
* *
※この続きは『致知』2015年2月号 P20~P28をご一読ください。