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教育課程部会(第127回) 議事録 / 文部科学省

2022-03-31 07:05:20 | 教育関連情報

文部科学省より教育課程部会(第127回) 議事録を紹介します。

ここから https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/gijiroku/mext_00009.html

教育課程部会(第127回) 議事録

1.日時

令和4年1月24日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議論点整理について
  2. 総合科学技術・イノベーション会議教育・人材育成ワーキンググループ中間まとめについて
  3. 高等学校等における日本語指導の制度化について
  4. 新高等学校学習指導要領の実施に向けた取組について

4.議事録

【荒瀬部会長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第127回中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会を開催いたします。
本日は、大変御多忙の中、御参加いただきまして、ありがとうございます。本部会につきましては、報道関係者から撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。
本日の議題は、議事次第にございます4つとなっております。いつも、最後時間がなくて本当に皆さんに御迷惑をかけておりますが、本日はこの4つ、少しでも委員の皆様の御発言時間を確保できるよう、会議の運営に御協力をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、会議資料につきまして、石田教育課程企画室長から御説明をよろしくお願いいたします。

【石田教育課程企画室長】 それでは、本日の会議資料は、議事次第にございますとおり、資料1から5まで及び参考資料1から3までをお配りしてございます。資料4-1及び4-2につきましては、藤田委員、杉本委員に、新しい高等学校学習指導要領の実施に向けた取組ということで議題4についておまとめいただいた資料でございます。資料5は、末冨委員から提出いただいた資料でございます。
事務局からの説明は以上でございます。

【荒瀬部会長】 それでは、議題の1に移りたいと思います。特定分野に特異な才能のある児童生徒につきましては、第10期の教育課程部会における審議のまとめ、令和3年1月25日のものです。また、令和の答申におきまして、これは令和3年1月26日のものですが、このような児童生徒の指導や評価の在り方等についての検討が求められたことを受け、特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議において専門的な検討が行われてきたところです。
この有識者会議には、教育課程部会からは、市川副部会長、秋田委員、今村委員、大島委員、中島委員に御参画いただいております。この有識者会議の議論は、先ほど申し上げましたとおり、第10期の教育課程部会の審議のまとめを踏まえたものであることに加え、教育課程部会における審議にも関わる内容もございますので、本日は、この有識者会議の座長でいらっしゃる岩永放送大学学長から論点整理について御説明をいただいた後、意見交換を行いたいと思います。
岩永先生、本日は御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

【岩永座長】 ありがとうございます。放送大学学長の岩永です。私の研究分野は教育社会学ですけれども、1990年頃から才能教育研究に携わっておりまして、あまりその研究者がいなかったということもありまして、昨年6月に立ち上げられた文部科学省の特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議、ちょっと長いんですけれども、の座長を仰せつかっております。本日は、有識者会議の検討状況について御説明をさせていただきます。
こちらのパターンを御覧いただきたいと思うんですが、まず、有識者会議について御説明いたします。会議の表題となっている特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する教育に関しましては、令和2年6月の教育課程部会をはじめとして、中央教育審議会で御議論をいただきまして、昨年1月の中教審、令和の答申において、こうした児童生徒の指導・支援の在り方について専門的な検討をおまとめいただいたところです。この答申を踏まえまして、昨年6月に初等中等教育局長の下に有識者会議を立ち上げて、現在、このテーマに関して検討を進めているところでございます。
なお、教育課程部会委員をお務めの秋田委員には有識者会議の座長代理をお務めいただいておりますし、それから、先ほども御紹介ありましたように、市川委員、今村委員、大島委員、中島委員にも有識者会議に御参画いただいております。大変活発な議論をしていただいているところです。これまで6回の会議を開催し、昨年12月には、今後議論を進めるに当たっての論点を論点整理という形で整理して、取りまとめを行いました。ここからは、そこに示された論点に沿って、さらに議論を進め、本年中に一定の結論を出すことを予定しております。
次のパターンですが、ここでアンケート結果の概要について簡単に御説明いたします。会議で検討を進めるに当たっては、特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する情報等を得る目的でアンケートを実施しました。特異な才能のある児童生徒の当事者や、あるいは保護者などから808件、延べ980事例をお寄せいただきました。
内容を少し御紹介したいと思いますが、児童生徒の特異な才能としては、例えば、現在、小2、小学校数学は終了し、中学校数学も終了する勢いであるというようなこと、あるいは、小学生では初見で上級レベルの曲をバイオリンで弾き、講師からあり得ないと言われているなどの多様な領域における優れた能力のほか、特定の事柄への強い関心、創造性、集中力、記憶力等の特性が見られたという回答を得ております。
また、学校で経験した困難としては、授業の内容が簡単過ぎて暇を持て余した、分からないふりをしなければならなかったという事例や、同級生との関係、先生との関係がうまくいかなかったという事例などが寄せられました。
一方で、効果的な才能への支援として、正しい答えだけではなく、なぜそのように考えるのかを発表させてくれた先生に対して、その先生のクラスは楽しかったという回答とか、他の生徒を助けさせる役割を与えると授業に前向きに参加できていたというような事例、あるいは、ICTの活用やスクールカウンセラー、養護教員などによる支援が実際に効果的だったというようなこと、あるいは、学校外の学びの場における学習が有効だったという事例などが寄せられました。なお、事例数は小学校段階が多い傾向にありまして、この点については今後、なぜそうなのかということを含めまして検討の余地を残しているところです。
次のスライドで、要点整理の概要を説明します。まず、このようなアンケート調査の結果も踏まえ、論点整理を取りまとめました。そこでは、特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援についての現状や課題を整理した上で、検討の方向性や今後議論すべき論点について記載いたしております。
まず現状ですが、特定分野に特異な才能に対する教育の現状として、例えば諸外国ではIQ等による一律の基準ではなく、大綱的に定義している場合が多く見られます。アメリカの場合などは特にそうですけれども、また、才能は全人的な才能というより、科学技術、芸術、スポーツなどの領域に固有なものとして捉える傾向があります。
また、才能教育の類型としては、飛び級や早期入学などプログラムを早期に履修する早修と、放課後プログラムや夏季プログラム、コンテストなど、プルアウトと言ったりするわけですが、より深い内容を学習する拡充に大きく分けられると考えられます。日本においても、才能教育に関して各種の支援や制度が既にあるところであります。
続いて、特異な才能のある児童生徒の指導・支援に関する課題について、先ほど御紹介したアンケートの結果も踏まえて整理いたしました。それを御紹介します。特異な才能のある児童生徒は、強い好奇心や感受性、豊かな創造力、あるいは過敏などの認知、発達の特殊性があり、それに伴い困難を抱えることがあります。具体的には、学習や学校生活に関して課題を抱えているということであります。
学習に関しては、授業での学習内容が知っていることばかりだった、あるいは活用の場面が与えられなかったというようなことで、自らの資質や能力を伸ばすことができずに、充実感のある学びの時間とはなっていない場合があります。また、学校生活に関しては、同級生との会話や友人関係の構築に困難を抱えたり、教師との関係で課題を抱えたり、あるいは集団の中でトラブルや孤立が発生してしまったりというような場面も多々見受けられます。さらに、このような状況に置かれた結果、著しい場合には不登校に陥る場合があることも報告されております。
特異な才能のある児童生徒を取り巻く状況としては、教育委員会、学校、教師によっては効果的な支援が行われている一方で、各主体の理解や体制に左右される実態があります。必ずしも全ての才能ある子供たちの周囲が理解を十分にしていただいていることではない実態は、残念ながらあると思います。
また、特に地方においては、児童生徒の興味、関心に応じた学校外の学びの場がない、あるいは、学びの場があっても情報が十分に届いていなかったりする状況があります。これは、地域差が非常に大きいと考えております。さらに、特異な才能のある児童生徒への支援を検討するに当たっては、国民的な合意形成を図ることも重要となります。こうした状況を踏まえて、特異な才能のある児童生徒への支援策を考える際の検討の方向性としては、中教審の令和の答申でお示しいただいた、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を運用し、多様な一人一人の児童生徒に対して、その児童生徒に応じた教育をいかに実現していくのかという議論の一環として検討することを示しています。「才能」という言葉で特出しして、それだけを議論することは非常に危険なことだなと我々の議論の中でも幾度も出てまいりました。
また、その際、学校現場が分断されたり、特異な才能のある児童生徒が逆に差別対象となったりしないように留意する必要があると考えております。検討の際は、義務教育と高等学校の違いといった学校種の特性を踏まえること、それから、児童生徒の困難に着目した上で、それを解消するための手だてについて、学校外の学びの場なども含めて検討を行うこと、デジタル社会の進展を踏まえ、ICTの特性や強みを生かすこと、そして、教育課程の共通性との関係から、学習指導要領の内容を確保しつつ、指導方法や指導体制の工夫などを通じて、個別最適な学びの機会を公正に確保することなどに留意する必要があることも示しています。
今後議論すべき論点ですけれども、以上を踏まえて、今後の議論の進め方としては、特異な才能を有する児童生徒は、学習活動に困難が生じている場合と、特異な才能のある児童生徒が学校生活に困難を感じている場合に分けた上で、それぞれについて、教室、学校内での対応策と学校外での対応策について議論を進めることとしております。
先ほどの、ちょっと言葉の上では語弊があるかもしれませんけれども、現実問題として学習活動に困難が生じている場合と、表面的にそれが見えなかったとしても、児童生徒本人が困難を感じている場合はやはり条件が違うだろうということで、それぞれに分けて検討しようということであります。また、その際に必要な環境とか体制についても検討することを考えております。
今後の予定ですが、論点整理において示された論点に沿う形で、本年の会議において引き続き議論を行って、本年中に有識者会議としてのまとめを行う予定です。
説明は以上となります。ぜひ御意見を賜りますよう、お願い申し上げます。(以下略)


【文部科学省関連サイト】

文部科学省小学校、中学校、高等学校中央教育審議会平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等教育に関する基本的な法律・計画などGIGAスクール構想の実現について統計情報、学校におけるICT環境の整備・運用について文部科学省/mextchannel

【教職員支援機構サイト】

校内研修シリーズ新学習指導要領編、国立教育政策研究所サイト中学校英語指導事例集独立行政法人日本学術振興会科学技術・学術政策研究所(NISTEP)

 


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