9日に行われました、愛知県高校入試問題 Bグループ 社会科の問題を解く(3)を紹介します。
私は、ここ30年あまり、下のようなもので、全国の都道府県の入試問題を解くのを趣味にしています。
各都道府県の優秀な教師が、頭をひねって考えるという、頭脳の集大成がこの一冊なのです。
愛知県は、これまでとても淡泊で、ひねっていない、解きやすい問題でした。
ここ数年は、地理や公民でやや凝った問題が出題されるようになりましたが、ほとんど記号(選択肢)で答えるという問題づくりの制約が大きく、物足りなさは否めませんでした。
しかし、今年のBグループの問題はなかなかたいしたものです。
今日は、公民を解いてみましょう。
まずもって、出題者が自ら作成したこの資料がすごいですね。
年代別の「お金をかけたいもの」「節約したいもの」という発想は、普通考えません。公民の授業でも触れません。
知識ではない、思考・判断が要求される問題になるのです。
まずははっきりとさせましょう。
A a:「子どもの教育」で40歳代
b:「ファッション」で10代後半
c:「医療」で60代 とわかります。
それをふまえて(1)を見てみましょう。
Ⅱの資料も初めて見るような資料です。
Ⅲの「倫理的消費」という用語も見かけません。
問題を見てみましょう。
(1) 丁寧に読み解けば比較的容易です。
その論理構成は、昨日の3(2)と全く同じパターンです。
また、こうした問題は、正解が後の方に来るのが普通です。
(2)は「これに対して・・・直接資金を集める」とあるので、「間接金融」なのですが、私が教えているときにはこのような言葉は教科書にはありません。
最近載ったのでしょうか?
すべての教科書会社を確認していると思いますが・・・。
(3)これもおもしろい!
あの表からこのような問題を作ることが出来るのは、かなり頭のよい人です。
価格の安さから、手に入れやすさ=時間の制約ということが読み取れます。
(4)これも思考力が問われます。
丁寧に読み解けばわかりますが、それがなかなか難しい。
良問です。
(1) 今回、唯一の単純知識問題です。3の「過疎」と違って「主権」という漢字も容易。少しホッとしました。
(2) 国務大臣における国会議員の割合は、確かに
日本国憲法 第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
とあります。
しかし、現実にはいわゆる民間人閣僚はほとんどいないので、一般的には知られていないかもしれません。
答えは「ア」です。
選択肢が長文の時には正解は後ろの方(四択ならエウ、五択ならオエ)にくるため、バランスを取るために
選択肢が短いときに「ア」「イ」が多く来るのです。
これはナイショですが・・・
(3)③は自民党の単独政権なので簡単なのですが、後半の傾向としては、 自社さ連立政権や細川連立政権、自公政権 があるので、 むしろ「多党制」が合うと思います。
しかし、「アメリカやイギリスのように」とあれば、これは「二大政党制」が入ります。
問題の内容としては,やや微妙ですね。
正解は、佐鳴予備校のサイトからご覧ください。